⚠️赤ちゃんプレイ風俗通いが同棲している夢主にバレる柳さんの話⚠️「これはどう言う事でしょうか?」
日曜日の昼下がり。
仁王立ちで手にしたスマホの画面を見る私。
そしてこのスマホの持ち主である柳蓮二は私の前に正座をし俯いている。
「…す、すまない、違うんだ…」
「何がすまないなのでしょうか?何が違うのでしょうか?ここに情報がちゃんと残っているのですが?データは嘘をつきませんよ」
「…えっと…、これにはわけが…」
「ではそのわけをお聞かせ願えます??」
「……」
「怒らないから」
「……単刀直入に、言う…」
「うん」
「…じ、実は…俺は…」
「…」
「………赤ちゃんプレイが…!好きなんだ…!!」
「………だろうね」
普段クールで表情のあまり変わらない彼が珍しく声を張り上げたのとは裏腹に、私は冷静に言葉を返した。
「……驚かない、…のか…?」
「いや、驚いてないわけじゃないけど…好きじゃないとこんな何回も行かんでしょ」
画面をスクロールしながら答える。
「…返す言葉もない」
「昔から好きなの?こういうの」
「いや…はじめてそれを知ったのは…去年だったか…、いや…正確にはワード自体は聞き覚えはあったがのだが…詳しくはなかった…あの日は全く違う事をネットで調べていたんだ、そしたら赤ちゃんプレイなるものが目に入って……その…具体的にどんな事をするのだろう、と…単純に気になったんだ…」
「へー(どんな調べものしてたら赤ちゃんプレイが流れてくるんやろ…?まあいいか…)」
「…そして調べていくうちに…興奮が抑えられない自分に気付いて…知りたくなった……実際に…どんなものなのか……」
「ほう」
「…だが、お前に赤ちゃんプレイをして貰うわけにはいかない……あ、あんな事を…頼めるわけがない…それで…」
「お店に行ったと」
「………そうだ」
「…」
「続けるつもりはなかったんだ…一回体験してしまえば……俺は知っての通り好奇心が強い…未知というものに弱い…いつもの様に一度知ってしまえば…それで欲求も解消されてしまうと思った………でも…」
「逆にハマっちゃったと」
「ぅう………あ!本番はしてない、ぞ…!無い店なん、だ…!それに店の特定の女性に入れ込んだとかでも断じてない…!俺はあくまで赤ちゃんプレイが……、あ…いや…こんなのは言い訳だな…〇〇を傷付けた事に変わりはないというのに…すまない…取り乱してしまった…」
「その無駄な貞操観念、蓮二らしいね」
「……面目ない…」
「…まあつまり、要約すると私が蓮二に信頼して相談してもらえるような彼女じゃなかった結果、180越えの悲しき赤ちゃんが産まれてしまった、と」
「それは違う…!!お前は何も悪くない!!俺が勝手に信頼できていなかっただけで…!!俺が悪いんだ…、お前の前ではかっこいいままでいたかったんだ…見栄を張って…だから……すまない…俺は…お前が…」
「……ふ…、あはははは!!!!」
「なっ…」
「ごめん、語彙力のない蓮二珍しすぎて笑っちゃった」
「………」
「…で、どうしたい?」
「え…」
「蓮二はこれからどうしたいの?どうするの?もう風俗行かないの?」
「あ、当たり前だ…!!お前を傷付けたというのに、続けるわけが…!誓ってやめる…!…いや、やめたからといって罪が消えるとは思っていない…、それに、これは…俺が言える立場ではないとは分かっている、が…言わせて欲しい……、…俺はお前が好きだ…故に失望して欲しくなくて…言い出せなかった…本当だ……だから、別れたくない…お前と離れるなど考えられないんだ…しかし、それは甘えた考えだ…今後どうするかはお前に決めて欲しい…俺はそれに従うし出来る全ての事をすると約束しよう……、本当にすまなかった…」
深々と土下座をする180越えの赤ちゃん。
「…なるほど、じゃあ私とは別れたくないし、赤ちゃんプレイももうしない、と」
「無論だ!」
「じゃあ今度は私がどうしたいか当てて」
「な…」
「お得意のデータで、予測してよ」
「………い、今すぐ俺の頬を引っ叩いて別れたい確率…87%…」
「ブッブー!残念でした違います〜」
「…ぇ」
「あーでもちょっと正解かも、ビンタくらいはしたいかな、別れたくはない」
「そ、うなのか…!」と蓮二の顔が少し明るくなる、がすぐにハッとして、
「…いや待て、なら打ってくれ!!それでお前の気が少しでも晴…ぃいたたたた!!」
言葉を言い終わる前に端正な顔を指でつまんで思いっきり歪ませてやった。
「ビンタは可哀想だからこれで勘弁しときましょう」
「ふぁ…は、はぃ……」
「では不正解の柳くんに正解をお伝えしてもよろしいでしょうか?」
私は大きく咳払いをした。
「……はぃ」
「すぅーーー……」
息を大きく吸う、そして
「………わたしもママになりたかったーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
叫んだ。
「……な、」
目を見開いてフリーズしている蓮二をよそに畳み掛ける。
「スマホ見た時一番に思った!!私もママになりたかった!!柳蓮二によだれかけをつけておしゃぶりを咥えさせて頭よちよちして抱きしめておむつ交換したかったってな!!!!!!!なのに!!!私に相談もせず…!!!悔しい!!どこぞの女はもう蓮二のよだれかけ姿を見ていると言うのに!!私は!見てない!!お前はいつもそうだ!!肝心な時に相談を!しない!!!!……ぅう…う…ぐすっ…」
「な、泣…!?だ、大丈夫か?!泣かないでくれ…!」
「泣くかボケーー!!!!」
駆け寄り伸ばされた蓮二の手を避ける。
しばしの沈黙
「……つ、つまり…」
「そう言う事だ」
「……お、俺はなんて過ちを…」
「ホントだよ、何で一回の人生でそんなことごとく選択肢でミスできるんだよ、言えよ」
「…め、面目ない…」
「はーーーーー、でも叫んだらスッキリした」
再度沈黙の後、またハッ!っと何かに気付いたような顔をして蓮二が口を開いた。今日は表情が豊かだなぁおい。
「………なあ」
「ん?」
「…確認の様で申し訳ないんだが……俺はまだお前の彼氏でいられる、という事で良いんだ、よな…?」
「そうだよ、そう言ったじゃん」
「…あ、有難う…感謝してもしきれない……のだが、気になるのが、その、先程の叫びから考えるに……もしや…あ、赤ちゃんプレイも…お前と…出来たり…」
「シャラァッップ!!!」
「痛い!!!!」
頭良い癖にアホな事を言うので脛を軽く蹴ってやった。
蹴られたところを押さえる蓮二に向かって言葉を放つ。
「何言ってんの??赤ちゃんプレイはもう誓ってやめるんじゃなかったの??」
「っ…!?!ぇ…、…えぇ…??…い、いや、しかし…」
「鼻の下伸びすぎ、心ブレすぎ、意思弱すぎ、浮気者」
「…で、でも今お前もしたいと…」
いつぞやの達磨文鎮を見た時のような顔をして震え狼狽える蓮二。
「私は風俗行くほどしたいわけではないので!というか、そんな事望んで良い立場なのですか?ママになりたかったはなりたかったけど、愛しの彼氏が風俗通ってた事実、普通にまあまあ結構ショックだったのですが?」
「ぐっ…!!そう、だ、な…、すまない……すまない……そうだ…これは罰だ…当然の……お前に捨てられないだけ感謝しなければならないのに……俺という男は…また欲に負けて……うっ…」
なんかめちゃくちゃ苦しそうな顔してんな。
可哀想に…
「うーん…そうだな、じゃあさ…」
「…?」
「ちゃんと言って?結局ちゃんと気持ちを伝えられなかった蓮二が一番悪いんだし、この柳蓮二、どんな格好で、誰と、どんなプレイがしたいのか、もちろんいつもの豊富な語彙力で、詳しく分かりやす〜く伝えてくれたら、赤ちゃんプレイ、考えてあげてもいいよ」
「…!?!」
「嫌だったら別に言わなくてもいいよ〜、蓮二が一生赤ちゃんプレイ出来ないだけだし、私困らないし」
「…ぅ…」
「あ、また風俗行ったら次は別れるから」
「……」
沈黙が続く。顔を茹で蛸の様に真っ赤にして、口をパクパクさせては、薄く目を開け眉間に皺を寄せたり、天井を見上げたり、頭を抱えたり、こんな蓮二を見るのははじめてだなーとかこれでもまだプライドと羞恥心が邪魔してるのかなー重症だなーとか考えていると、パクパクするばかりだった口から絞り出すように言葉が発せられた。
「……こ、こ、この柳、れ、ん二…っ、よ、よだれかけと、おしめを、つけて…、おしゃぶりを、咥えてっ…、〇〇ママと…、おっぱい吸ったり、おしめ変えてもらったり…っ!そんな赤ちゃんプレイがっ…!したい確率……!…200%!…で、でちゅ……」
「おお」
言った。
言いやがった。
「でちゅ」まで言いやがった、ハムスターかよ、くそう、かわいいな。
荒くなった息を一生懸命整えようとしているハムスターを見て、めちゃくちゃにやけそうになるのを一生懸命堪えた、あれ?私何でにやけそうなの?てか、何かハムスター若干涙目になってない?あ、目見えなかったか、じゃあ全部気のせいだろう。
てかめちゃくちゃ赤ちゃんプレイしたいんだなぁ〜と思った、200%て。
これはちゃんとご褒美をあげないと。
「わ〜〜〜!!!蓮二くんよく出来まちたね〜!ご褒美にいいこいいこしましょうね〜」
拍手をして手招きする私を見て、最初は目を見開いて驚いた蓮二だったが、すぐに無言で私の前まできて膝をついた。
頭を撫でてあげるとただでさえ赤かった顔が更に赤くなる。
おもしろい。なにより、めちゃくちゃかわいい。
「蓮二くん、いいこいいこはどうでちゅか〜?」
「う、…うれ、うれしい…かな…」
顔をこれでもかと下に向けて表情を隠し、ボソボソと言う。お気持ちお察しします、が容赦はしない。
「ん?蓮二くんは赤ちゃん…、だったよね…?」
撫でている手を止めてそう言うと、焦った蓮二が「ぇ…ぁ…、う、うれしい…でちゅ…、うれしいでちゅ…」
と言い直した。
「そうなんでちゅね〜蓮二くんが嬉しいとママも嬉しいでちゅよ〜」
今度は抱き寄せて頭を撫でてやる。
ビクリと肩を揺らして驚いた様子だったがすぐに「…ば、ばぶ…」と小さな声が聞こえた。
いつものクールな低音ボイスなのに、言葉は赤ちゃんで。ギャップがやばすぎだろぃ可愛すぎだろぃ天才的だろぃ…。
あまりの可愛さにこちらの頭もおかしくなりそうだったが、2人とも頭がおかしくなってはいけないので、あくまで冷静に。
「では良い子の蓮二くん」
「は、はぃ…」
「いいものを見せてあげましょう」
私は蓮二から離れソファの裏からあるものを取り出した。
「…!?!それは!何故…!俺はか、隠して…たのに…!?」
年中無休冷静沈着をガン無視して動揺しまくる赤ちゃんの前に取り出したものを並べる。
右からよだれかけ、おしゃぶり、オムツ、ぼうし。
「蓮二くんの部屋で普通に見つけましたよ〜10分くらいで出てきたかな〜?蓮二くんはほんとうに隠す事が苦手みたいでちゅね〜」
「ぁ…、あわ、あ……」
「お店に通うだけじゃなくこんなグッズまで買い揃えるなんて、すごいなぁ〜」
「ち、違うぞ!!買ってない…!これは!お店に12回通ったら赤ちゃん初心者卒業記念に貰えるんだ…!!だから決して自らすすんで買ったとかでは…!…はっ…!!」
慌てて口を紡ぐ蓮二。普段なら自分で墓穴を掘るなんてあり得ないのに、そうとう追い詰められてるなぁ。
「そうなんでちゅか〜、まあどっちでもよかったけど〜、…じゃあ12回も通う勉強熱心な蓮二くん、とりあえずこれに着替えようか?」
「へ……??」
目を見開く蓮二。今日はよく目が開くなぁ。
「だって赤ちゃんはそんな服着ないでしょ??」
部屋着を指さし言う。
「し、しかし…、いや、…」
「赤ちゃんプレイしたいんじゃないの?」
「ぁ…、え、っと…」
「よしよし以上もしたいでしょ??」
「し、し、したい…!!したい!…が…、ま、まだ心の準備というものが…、…あ、っと…、よ、夜!!夜にしよう!こんな昼間から…、しなく、ても……」
「はい、これ、恥ずかしいなら外出てるから、はやく着替えてね、じゃ、よろしく〜」
「ぁ、ちょ…まてっ…」
何かいろいろ言っているのを無視して赤ちゃんコス一式を渡した私は一旦リビングを出た。
つづく……??分からんとりあえずおわり