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    takanawa33

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    一年×七風味のモブから見た補助監督ミン(しれっと生存者if)

    いぇーい!第○○期新人補助監督の集いに集まってくれてみんなありがとねー!で、記念すべき初任務を終えましたが皆さんはどうでした?え?オレ?……聞きたい?ってか聞いて。聞いてお願いっ!オレの初任務は一昨日だったんだけどさぁーーー


    「はじめまして、指導員の七海です。よろしくお願いします」
    術師はその仕事の特性から傷がある人が多いってのは知ってた。でも、これはなかなかに。
    オレの指導員と名乗った七海さんは左半身がほぼ焼け爛れて目は眼帯、たぶん指先まで焼けているんだろう手には黒の皮手袋をつけて立っていた。
    「ども……」
    「今回は一年生の除霊任務の付き添いですね。すでにメールでお知らせしたかとは思いますが葛飾区の公立高校に出現する低級呪霊を殲滅します」
    タブレットで焼けていない右手が地図を広げる。
    「帳はここのエリアにおろして準備ができ次第大元になっている美術室の一体をまず叩きます。こいつがいるから低級が集まっているようですね」
    「はい」
    「無駄かとは思いますが一年生が各々何体を祓ったのか数えるように言ってください。報告書が書きやすくなります」
    報告書のページを開いて「ここに記入義務があります」と丁寧に教えてくれた。親切ぅ。
    「では一年生を呼んできてください。残業は嫌いなのでさっさと終わらせましょう」
    「はい!」
    肩を叩いてくれる手に心がホッとする。片目しかわからないけどよく見たら綺麗だな。てか、顔の作りも火傷のインパクトでよく見てなかったけどちゃんとみたら、メチャクチャ綺麗だなこの人。

    「……引っ掛かりますね」
    「何がっすか?」
    一年生が美術室に到着して三級の呪霊を撃破したとの通信が入る。これでめでたく終了。七海さんの嫌いだと言う残業は回避できたはず。なのに。
    「君は残穢を見れますか?」
    「あ、自分、まだそこまでは」
    「ふむ、次の任務までに特訓してみてください。それで、大元を叩いたはずなのにまだ校内にちらほら残穢が残っているんです」
    「まだ低級の残りが徘徊してる、とか?」
    「その線もありますがそれにしては濃い。三級より上の呪霊が潜んでる可能性が高い」
    げぇ、とんだ貧乏くじだ。窓の報告は絶対じゃない。こういうこともある。けどメンバーがよろしくないだろ。
    今戦えるのは新人ちゃんだけ。補助監督は除霊できるほど強くないのだ。オレしかり。
    「お、応援呼びますか?」
    「そうですね。ですがその前に一年生の保護を。校庭に出て待機するよう指示してください。応援はその後に」
    なんでこの人こんな落ち着いてんの。やっぱ場数?でも下手したら死ぬじゃん。三級以上なんて出ちゃったらさ、新米術師と一緒にお陀仏よ。
    オレは無線で新人ちゃんたちを言われた通りに指示して七海さんと走って校庭に出た。
    開けたトラック、土埃が舞う中、さっぱりわからないけど、でも、本能がザワザワする。この空気は、ヤバイって。
    「近くに二級以上の術師は?」
    「い、いますけど、到着に三十分はかかりますぅ!」
    「間に合いませんね」
    「冷静に言わないでぇ!死ぬ!死んじゃうじゃん!」
    待って、まだご贔屓グラドルの写真集発売してないの!水着より際どいオフショットが目玉のほぼヌードの写真集がっ!あと彼女もまだいないしセックスもしたことがないんですっ!
    「死にたくないよぉおおお!」
    オレの混乱に一年生も泣きそうだ。ごめん年上なのに取り乱して、でも無理無理ムリ!
    「ふーー……少しは落ち着いて。焦ってもいいことはありませんよ」
    「なんで七海さんはそんな冷静なのぉ!?」
    「……一年は防御に専念して。君は私の後ろに張り付いててください。前に出たら本当に死にますよ」
    なにそれ、と言う暇もなくソイツは現れた。
    ーーシュユゥウウウウ
    あ、これアカンやつ。
    この時ほど呪霊が見えることがイヤだと思うことはなかった。そりゃ昔から蝿みたいなちっさいのが目の前ブンブン飛んでたりちょっとイヤな気配がするやつが道の真ん中にいてウゼェ~って思う時はあったけど、こんなにも、明確な『死』を拝むことになるとは。
    「準一級、といったところか」
    「い、い、一級!?」
    準です。という声も遮ってオレは悲鳴をあげた。いやムリムリムリ、死ぬ死ぬ死ぬ。二級の術師がきても死ぬかもじゃん。なんでなんでなんで窓の人適当な報告しないで!!!
    「いいですか、こういった手数の多い呪霊はいちいち相手をしていたらこうして体力を奪われて不利になります」
    「なんで!?なんで解説してるの!?」
    「今の呪術界は二人以上で任務に当たるのが基本原理、その利点は一人が手数の処理をしている間にもう一人が本体の急所を叩けるというところにあります」
    なんでこの人解説しながら呪霊の触手鉈で捌いてるの?てかなんで鉈?スーッと背中から出したけどなんで?補助監督って鉈持ってるのが礼儀なの?講習でそんなこと言われてないですけど。
    「まあ手数が多かろうと少なかろうとこうやって、本体を、さっさとーー叩く!」
    伸びてきた触手の一本にストンと乗って七海さんは跳躍した。そして振り上げた鉈で、一刀両断。わぁ、なんかのオープニングみたい。
    「それが一番短時間で任務をこなせますね」
    ピッと鉈を振って再び背中に仕舞う。え?あれ?祓ったの?
    「これで任務は終了ですね。お疲れ様でした」
    「え?いやいや、え?」
    なに?なにが起きたの今。え、補助監督って補助する監督だよね。え、前線に出て戦わなきゃダメなの?だとしたらオレは無理です本日限りで退職させてもらいます。
    「怪我は?」
    ため息と一緒にオレに問いかける七海さん。いや、ちょっと待って、かっこい……か、かっこよすぎない?
    「な、ないれしゅ」
    「それならよかった。もしよければ一年生を高専まで車で送ってあげてください。私はここの呪霊の確認をします」
    「え、あ、はいっ」
    「報告書の書き方は明日で。疲れたでしょう。帰って休んでいいですよ」
    やら、惚れちゃうの……かっこいい……。

    と、ここまではただただ七海さんがヤバイって話なんだけど。問題はその後よ。

    「あれ?もう終わってるの?」
    気配もなくオレの後ろに立ってる人間にピョンと跳ねながら振り向くと。
    「い、い、虎杖特級術師!?」
    そう、そこにいたのは宿儺の器、歩く人間戦車こと虎杖悠仁だったのよ。
    「また戦ったの?ダメでしょ。呪力カラカラじゃん」
    そう言って七海さんの隣に立ったと思ったらヒョイと抱き上げた。いわゆるお姫様だっこ。
    「もう戦える身体じゃないんだからダメだよ。なんで言うこと聞いてくれないの?」
    「では見殺しにしろと?降ろしてください」
    「そうは言ってないけどもうちょっと応援が来るまで待つとかさぁ」
    「君たち特級が連絡とれないのが悪いんでしょう。責任を私に擦り付けないでください」
    「えー、怒らないでよ。心配なの、ナナミンが。なぁ、伏黒」
    虎杖特級術師の言葉にまたまた気配もさせずにオレの背後に立つ人間が。
    「ぜ、禪院家当主……」
    そこには術師なら知らない人間はいない御三家が一つ、禪院家の史上最年少当主、禪院恵の姿が。
    「七海さん、無理しないでください」
    「貴方まで私を責めるんですか。あと虎杖くんはいい加減降ろして」
    全然降ろす気配がない。
    「とりあえず呪力戻るまでうちで休んでください。それでいいよな、虎杖」
    「オッケー」
    「報告書の指導をしなくてはいけないので普通に家で養生します」
    「夕飯なに食べますか?」
    「二人とも特級になると耳が悪くなるんですか?」
    そんな不毛な言い合いの合間に虎杖術師の携帯が鳴った。
    「はい、あ、釘崎?」
    釘崎……釘崎ってあのフリーランスのマネーの鬼?実力と報酬が天井知らずの釘崎野薔薇!?
    『あんたら日本にいながら何七海さん戦わせてんのよ!』
    「ごめんって」
    スピーカーでもないのに怒声がこっちまで聞こえる。てか情報早くね?
    『七海さん!一ヶ月は伏黒のとこで大人しくしてなさいよね!』
    「だから指導が……あと降ろしてください」
    『私もすぐ戻るから、ちゃんと見てなさいよこのボンクラども』
    ツーツー。切れた電話をポケットに仕舞いながら虎杖術師は微笑んだ。
    「じゃ、今日は解散で。指導は悪いけど伊地知さんにしてもらって」
    「なに勝手に話決めてるんですか」
    ムムムと眉を寄せる七海さん。綺麗な人だと思ってたけど、もしかしてかわいいもあるのか?オレがそんなことを思っている間に三人はまたまた気配もなくその場から消えて、結論から言うと七海さんは拉致された。たぶん日本語は間違ってない。

    ってことがあってさぁ。
    え?七海さん?うん、金髪の、左半分が火傷の。え?一級……?あの人、元一級術師なの?マジ?うそー!だからあんな強かったのかぁ!!!
    あ、そう。メチャクチャ綺麗だった。うん、なんか最後はかわいかったし。ふふふ、いいだろ。うん、虎杖術師もね、すっげぇイケメンだった。禪院術師もクールビューティーっていうか。
    七海さん、今頃まだ監禁されてんのかな。てかまた会えるのかな。もう会えないのかなぁ。お礼言いたいのに。
    あ、そうそう皆、今回はさ一年生の初任務ってことで行動記録の反省としてオレ、動画撮影してたんだよね。だから七海さんも虎杖術師も禪院術師も、見れるよ?オッケー、カラオケいこ。上映会するわ。ほんと、七海さんかっこいいから何度でも見ていいよ!
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