【デスティニーくん、あのね?】
オーブ地下格納庫へ誰よりも早く降り立った技術責任者ことハインライン大尉は誰にでもわかる様子でイライラしていた。
「接続……の問題はクリアしている。通電……は抵抗値に問題ない。システムの制御は従来のものと変わらず以前は問題なく起動していたのに……」
腹立たしい機体を睨むように見つめる。
朝方から彼を苛立たせる機体、デスティニーガンダムspec2はそんな脆弱な人間の感情なんて知ったこっちゃない様子でモノクロのまま鎮座していた。
遡ること六時間前。ファウンデーション国家から命からがら逃げ伸びたコンパス隊員たちはオーブに避難し、その滞在先で秘密裏に開発を続けているMSがあることが明かされた。技術責任者のハインラインを筆頭に通された地下格納庫でハンガーに吊るされているのは三体の旧型機。しかしファウンデーションに再戦を挑むには十分なスペックだ。
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