無題朝から喧嘩を始めた理由はなんだったか。テュオハリムの浪費癖か、身の回りに対する無頓着さか。なんにせよ、喧嘩の内容自体はいつものことではあったのだが、今日はお互いに虫の居所が悪かったのかなかなか熱が冷めやらないでいた。
次第に喧嘩の内容は何故か床の話へと変化していき、テュオハリムはそれに対する不満を彼女にぶつけてしまっていた。普段、初心なキサラに合わせて我慢をしていたのを今まで黙っていたのが、つい本音が漏れてしまったのである。
「そもそも、君に私の全てを受け止めきれるとは到底思えないがね。君が耐えきれるかどうか、危ういところだ」
喧嘩とはいえ事の発端であるテュオハリムはほぼキサラに叱られている状態だったためか、拗ねたようにそっぽを向きながら怒り心頭の彼女をさらに煽るような言い方で責めた。煽られたキサラは売り言葉に買い言葉、まんまとテュオハリムに乗せられてしまう。
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