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    諒一郎

    @kou_2541

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    諒一郎

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    カルブレ。
    過去の文を発掘。支部に上げ忘れてた短いやつ。

    天空(ソラ)の底 何となしに、空を見上げたお前。
     不意に気付いたその一瞬の仕草にオレは目を奪われた。
     鮮やかな青の一点を見つめるその横顔を、息をするのも忘れて見入ってしまった。
     澄んだ空を仰ぎ、お前が何を思うのか。
     オレは『ソレ』を知りたい。
     お前の心の中に、オレが入る隙間なんてものがあるかどうか。
     お前にとってオレは、どういう存在なのか。



     ある日突然、お前はオレに答えを示した。

    「俺はどうでもいい奴と話す程ヒマじゃねぇ……」

     その一言が、どれだけオレを喜ばせたか。
     込み上げてくる想いを抑えるのが、どれだけ辛かったか。
     お前は気付かなかっただろう?

    「そうか……」

     そう返すだけで精一杯だった。
     後はもう、お前の顔を見ることが出来ないまま、オレはその場を去った。
     お前が訝しむ瞳でオレの後ろ姿を見ていたのは気付いていた。
     でもオレは振り返ることをしなかった。
     緩み切った顔を見られるわけにはいかなかったから。



     気付いたら、空の底を見ていた瞳がオレを捕えていた。
     ソレと同じだけ、澄んだ瞳で。
     オレがそのことに気付いたのは、お前が声を発したから。
     小さな小さな、下手をすると空耳じゃないかって疑うような声。

    「……何、見てんだよ」

     頬をわずかに紅潮させ、でもいつものスタンツを保つかのように鋭い眼差しで。
     何か答えなくてはと口をついて出た言葉に、お前はおろかオレ自身でさえ我が耳を疑った。

    「キレイだな、と思って」

     刹那。
     お前はオレの視線から逃げるように背を向けたけど、微かに見える耳が真っ赤に染まっていると気付いた。
     そして無言のまま、足早にオレから遠ざかっていく。
     お前の反応に、オレはワンテンポ遅れて顔が熱くなるのを感じた。
     自分の言った言葉を頭の中で反芻して、そして思う。
     お前がこの場から逃げ出した理由がオレの言動に呆れてじゃなく、恥ずかしさのあまり居たたまれなくなったからだ、と。
     そう思ったらいてもたってもいられなくなった。

    「待てよ、カルロ!

    お前の名前を呼んで、オレは遠ざかる背中めがけて走り出す。




    ――空の底に背を向けて―――






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