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    諒一郎

    @kou_2541

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    諒一郎

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    エジブレ。
    過去の文を発掘。支部に上げ忘れてた短いやつ。

    コッチを見て 部屋の主であるブレットのベッドの上で、彼の枕を抱きしめたエッジが落ち着かないように何度もゴロゴロと動き回っている。それはかれこれ三十分近く続いていた。
     机に向かいレポートをしていたブレットは、背後のその気配に溜め息を漏らしてペンを置き、イスごと振り向いた。

    「リーダー終わったの?」
    「お前のせいでちっとも進まない」

     気が散って仕方ないと、勉強や読書の時だけかけるメガネを外しながら、ブレットは自分のベッドの上から視線を寄越すエッジを軽く睨む。
     しかしエッジは少しも悪びれもせず、逆にブレットを睨み返した。

    「そっちが悪いんじゃん。今日はせっかくのオフだってのにさ」
    「オフだから溜まったレポートをやっているんだろう。第一お前は終わったのか?」

     エッジはうっとのどを詰まらせた。ブレットが終わっていないのに、エッジが終わっているハズなどない。
     山積みのレポートがエッジの机の上には残っている。

    「ほらみろ。早く自分の部屋に戻ってレポートを仕上げるんだな」

     呆れたように言い放つとブレットは再度机に向かい、レポートを再開した。
     エッジはその後ろ姿を淋しげに見つめた。レポートをやらなきゃいけないのはエッジだってわかっているのだ。でも久しぶりの完全オフだから、ちょっとでも一緒にいたくて、ちょっとでも二人になりたくて。だからレポートを放ってブレットの部屋を訪れた。
     ブレットの邪魔をしたかったわけではない。ただ少し、レポートの合間に話をしたり、コーヒーを一杯飲む程度の時間を過ごせれば良かったのだ。
     エッジは枕を抱えたまま起きあがり、レポート用紙を走るペンの音を聞きながらじっとブレットの背中を見つめた。
     先程までとは打って変わって静かな背後に、ブレットはまたも溜め息をついて立ち上がった。それに気付いたエッジは今度こそ怒られると、抱えていた枕に顔を埋めてやり過ごそうと近づいた気配に体を小さくさせた。  怒声が降ってくると身構えていたのに、その瞬間は訪れず、そっと頭の上に大好きな温もりを感じた。あまり大きいとは言えない、むしろ自分より少し小さなブレットの手。その手に頭を撫でられるのがエッジは好きだった。
     ゆっくり顔を上げるとそこには、苦笑しながらも優しい瞳をして自分を見下ろすブレットの顔があった。

    「リーダー?」
    「……一時間休憩。ちょっと膝貸せ」

     それだけ言うとブレットはエッジがギュッと抱きしめていた枕を奪い取り、腕の中から枕を奪われたエッジが呆気に取られている内にベッドに座り横になった。あまりに突然で、エッジは信じられないものを見た気だったが、自分の膝を枕にするブレットの姿に嬉しそうに微笑んだ。
     柔らかい髪をゆっくり梳くとブレットがちょっと頭を動かして、それがくすぐったいけど嬉しくて、何度も何度も繰り返す。

    「ゆっくり休んでいいからね」
    「一時間経ったらお前も一緒にレポートするんだからな」
    「――! あはは。了解」

     そのままブレットから規則正しい寝息が聞こえてくるまで、エッジは柔らかい髪の感触を楽しんだ。

    「好きだよ、ブレット」

     起こさないようにそっと頬にキスをすると、ブレットが微笑んだ気がした。




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