むかしむかし、とある森の中に 森の奥の城には怪物が住んでいる。ずっとずっと前に怪物はどこからともなくやってきてあの廃城に棲み着いた。昔は三匹だったが、今は一匹だと誰かが言っていた。三匹だった頃は悪さをしに良く街へ降りてきたらしいが、今は静かなものだ。森に迷い込んだ街の人間や、たまたま通りかかった旅人を脅かす程度で。
「でも、怪物はとても美しいらしいよ」
「ひと目見たいが、命の方が大切さ」
「そうだね。昔は人が食い殺されたんだろう?」
「そうさ。今でも旅人はやられてるって噂だ。森の中に骨がたくさん落ちている」
「人間の骨じゃないって言われてるじゃないか」
「それでも、かなり大きな骨らしいぞ。大きな獣を一人で狩ってるのかと思ったら充分脅威じゃ無いか」
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