◆ロコ・リエーガ
一人称/僕
二人称/貴方・〜さん
ヴィナ・ヴィエラの青年。年齢は100歳くらい。
明るく穏やかな性格で、少しのんびりしている。
彼の隣には、彼にしか見えない大切な人がいるらしい。たまに話しかけている。
誰もいないと指摘しても「彼女が僕にしか見えないのは当然のこと」と意にも介さない。
大切な人が愛した世界を守るため、今日も光の戦士業を頑張っている。
ヴィナ・ヴィエラの集落で生まれ、一般的なヴィエラ男性と同じように育てられていた。
しかし運悪く、師事していたマスターが事故で亡くなり、まだ若いロコくんはひとりぼっちになってしまった。
集落から遠く離れた土地で土地勘もなく、集落へ帰ることもできなかった彼は一人で生きていくことを決め、故郷と集落を捨てた。
ロコという名前は街の名。
大切な人とは、かつて片思いをしていたムーンキーパーの女性。
黒衣森の中で怪我をしたところを優しく介抱してもらい、恋に落ちた。
彼女に気持ちを伝えることはせず、怪我が治った後はお礼を言って立ち去った。
……ように見えたが、ロコくんの想いはとても重かった。
森に潜み、彼女の生活を監視し始めた。かつての師匠に教わった様々なノウハウを活かして、彼女に気付かれないようにずっと見守っていた。
彼女は精霊に感謝しながら森の恵みを享受し、慎ましく暮らしていた。
時々はグリダニアに足を運んで買い物をしているようだったが、友人や知人と交流している様子はなかった。
そんな風に彼女の生活を見守っていく内に、彼女に対する気持ちはどんどん重くなっていく。
彼女には幻術の心得があるようで、多少の危険には対処できる。しかし、いつ何が起こるか分からない。自分が一瞬だけ目を離した隙に、不埒者に攫われたら?魔物に襲われたら…?
それに、彼女はヴィエラ族ではない。自分とは寿命の差がある。いつか絶対に、自分の前から消え去ってしまう。
考え出すと止まらなくて、彼女のことで頭がいっぱいになって…
ロコくんは完全に精神を病んでしまい、彼女とずっと一緒にいたいと思うようになる。
いつか崩れ去ってしまう肉体なんていらない。魂だけの美しい姿で、ずっと自分の隣にいてほしい。
そんな思いに取り憑かれたロコくんは彼女を手にかけた。
彼女が眠っている時間に家に忍び込み、細い首を強く絞めた。
肉体が残っていては、魂が離れられないかもしれないと思い、遺体を燃やした。空に登っていく煙をぼんやりと眺めていたロコくんは、自分の隣に彼女がいることに気がついた。
(僕の考えは間違っていなかったんだ!これで彼女は、僕とずっと一緒にいてくれる!)
自分に優しく微笑みかける彼女の手を取ったロコくんは、永遠の幸せを手に入れたのでした。
本物の「彼女の魂」はロコくんに殺された時点で星海に還っており、当然ロコくんの隣になんていない。
突然命を絶たれた悲しみはあったが、恨むほどの執着もなかった。
彼女を手にかけた夜から、ロコくんは自分に都合のいい幻覚を見続けている。
リエーガという苗字は彼女のものだが、ロコくんが勝手に名乗っている。
彼女への愛情はプラトニックなもので、性的な欲求は一切抱いていない。