主が向こうの世界で死んだことを政府の人間から聞かされた男士達。葬式は明日だから、今日の夜にだけ会いに行くことを許可された。審神者証に「審神者死亡時は刀剣男士の意思を尊重」と書かれていたため、刀剣男士に選択を委ねられた。
その時の刀剣男士の反応は…


歌仙
「あぁ、嘘だ、あの子が、どうして、」
突然の別れで理解が追いつかないし、理解したくない。
審神者証が配られた時、審神者から「私が死んだら、歌仙はどうしたい？」って聞かれたことを思い出す。その時は、まだずっと先の話だろうし、審神者とのお別れなんか想像したくもなかったから、
「縁起でもない話をしないでおくれ。……まぁ、きみの命ならどんな形であれ従うよ。」
と返してた。審神者が折れろと望むなら折れるし、他の本丸で歴史を守って欲しいと言うなら守るつもりでいた。1番大切な人の願いならそれを守り抜くつもりでいたから。

それなのに、審神者が遺したものは自由で、もうどうすればいいのか分からなくなる。審神者が死んだって言う事実を認めたくないが、これが審神者に会える最後のチャンスって分かってるから、愛してる審神者の元に行く。和泉守とかその他色んな刀剣男士達に「一人で行って大丈夫か」って心配されるけど、
「始まりも僕と彼女だけだったんだ。だから、終わりも。」
って言って一人で行く。
審神者の顔を見たら眠っているようで。起こそうとしたら眉間に皺を寄せて文句を言ってきそうな様子で。でも彼女はもう喋らない。審神者の冷たい肌を触った歌仙はそれを実感した。主を失う悲しみは知っていたはずなのに、心にぽっかり穴が空いたこの感覚は言葉では表せないものだった。でも、生前ずっと「歌仙の優しい笑顔大好き」と言ってくれていた審神者の為に、微笑みを絶やさず、優しく手を握る。
「少し待っていておくれ。君の横には僕が着いていなければ」