鈍「太刀川さんは絶対彼女できないですよ」
形だけの対防衛任務会議中に突然そんなことを言い出したのは出水だった。名前を出された挙句恋愛についてダメだと断言された太刀川はだからなんだと言わんばかりに餅を飲み込んだ。
「え、俺馬鹿にされてる?」
「してないですけど」
用事があると早々に退室を去った国近と唯我を抜いた出水と太刀川の間には微妙な空気が流れる。出水は自分の考えは当たっているのかとニコニコと悪びれる事もなく太刀川に返事を求める。
「いや、絶対してる。そう思った理由は?」
「うわぁ太刀川さんに理由聞かれるとか、なんか嫌ですね……頭良さそうな太刀川さん」
「いーじゃん理由くらい聞いても。てか、理由があるからあんなこと言ったんだろ?」
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