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    koto_siro

    女体化とかすけべとか置く場所

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    koto_siro

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    白一

    春は花見、夏は納涼会、秋は月見、若しくは食欲の秋。
    死神達は何かにつけて大勢集まって酒宴を催している。
    取り合えず呑めれば良いのだろう、何の集まり?と聞いたところで「何だったっけ」と返ってくるのが常である。
    隊だけの飲み会もあるし、隊を超えた集まりの時もある。
    隊や護廷内の結束の為に、と言っている者も居るが果たして何処までが本当なのだろうかと未だ社会に出た事の無い一護は首を傾げるばかりである。
    確かに集団で戦闘になる事の多い死神達には結束は大事であろうし、若しかしたら明日殉職するかもしれないという場所に身を置いているのならば悔いのない様に日々を生きるのも大事な事なのであろう。
    少し悲し気に眉を下げた一護を目ざとく見付けたのは乱菊であった。

    「なーに辛気臭い顔してんのよぉ!ほら一護、あんたも呑みなさい!」
    「おう、じゃあ……因みにこれどこまでの集まり?」
    「今日はウチの隊と六番隊よ」
    「あー…………じゃあ今日は呑むのやめとく」
    「何よ、つれないわねぇ」
    「白哉居るだろ?」
    「ああ……成る程ねぇ」

    一護が出した名に、乱菊も得た様に頷いた。
    その時に揶揄っていいのだか悪いのだかという乱菊が余りしない何とも複雑そうな表情をしていた為に一護も釣られて顔を顰めた。
    尸魂界では現世の法律は無効だ、と勝手に解釈している一護が時折飲み会に誘われてちょくちょく未成年飲酒をしていたのだが大抵は白哉に知られてお小言を頂いてしまう。
    お前は俺の保護者か、と反発したが、本人はそれに近い認識をしているし周りまで認めてしまっているのだから一護としては頭を抱えたくなる所である。
    確かに白哉から見て一護は幾ら力があっても先ず保護する対象である現世を生きる人間の子供である。
    とはいえ浮竹さんとか京楽さんならそういう風に認識されるのも何となくは納得するが何で白哉何だ、と一護としては頭をひねるしかない。
    こっそりと白哉に対して恋心を抱いている身としては本当に複雑なのである。

    「メシも旨いから今日はそっちでいいや」
    「ま、確かにアタシも朽木隊長に色々言われたくないしねぇ」
    「乱菊さんってそういうの平気だと思ってた。冬獅郎に小言言われててもスルーしてるし」
    「されては困るんだがな?」

    後ろから唐突に声を掛けられ一護はびくりと身体を跳ねさせた。
    振り向いてみれば何時の間に居たのやら、冬獅郎が腕組みをしながら呆れたため息を吐いている。
    これで「じゃあ呑む」と一護が頷いていた場合白哉の前に冬獅郎からお小言が飛んできていたであろう。
    保護者面をしていたのが未だもう一人いた、と一護は先程よりも盛大に顔を顰めたのであった。
    乱菊に引き連れられ見知らぬ隊士達とも交流を深めながら腹を満たした後、一護はそろそろ白哉の所に顔を見せるかと立ち上がった。
    宴会も時間が経つにつれ深酒をして床に転がる者が増えてくる。
    そんな死神を跨ぎ、見慣れた赤髪も潰されていたので『うっかり』踏み、探し当てた目的の男の傍まで来た。

    「……あれ?」

    余り騒ぎに乗らない男であるので、一人静かに吞んでいるのは何時もの事なのであるがどこか違和感を覚えて一護は首を捻る。
    白哉の顔が此方に向かず、どこか呆、としている。

    「白哉」

    声を掛けたところ、そこで漸く一護の存在に気が付いたとばかりに視線が一護の方へと向く。

    「若しかして酔ってるか?」
    「…………酔っておらぬ」

    否定の声はワンテンポ遅れていた。
    酔っ払いが酔っぱらっているのを認めないのは誰しも同じらしく、まさか白哉もそうなるなんてと少々感動してしまった。
    節度を守る厳格な白哉が自分の許容量を超えて飲酒をするのは思っても居なかったことなので明日は槍でも降るかと一護は思いながら白哉の隣に座る。
    何時も寡黙な男であるがここまで反応が遅いのは新鮮である。

    「兄は飲酒しておらぬだろうな」
    「……」

    前言撤回、酔っていても白哉の言動はいつも通りのものであった。

    「呑んでねーよ」

    アンタが煩いからな、と一護は付け加える。
    酔っていても保護対象扱いかと頬を膨らませそうになってしまう。

    「何だよ、疑うならアルコールチェッカーでも持ってきやがれ!」
    「兄をそこまで疑う訳なかろう。其れにその道具は瀞霊廷に無い物であろう」
    「あー、飲酒運転とかなさそうだしな。始業前のチェック……京楽さんは仕事中に呑んでるし」
    「彼奴は隊士の手本にならぬな……」

    凛としている白哉が酒の所為か僅かにぼんやりとしている。
    胸が何となく高鳴る様に締め付けられて、これがギャップってやつかと少しだけ呻いた。
    その呻きには目ざとく反応して「何処か具合が悪いか」と即座に反応してきたのは流石というべきだったが。
    この白哉ならば少し触った位では怒られないのでは、と一護は欲を出し盃を持つ白哉の手を握った。

    「アンタがここまで呑むなんて何があったか知らねぇけど、そろそろ呑むの止めた方が良いんじゃねぇか?」

    手振り払われないだろうか、とちらと白哉を伺えばその目に嫌悪感は無かったが一護の想像とは逆に柔らかく細まっていた。
    あれ、と思った時にはもう遅くもう片方の白哉の手が一護の手に重なる。
    白哉の手に挟まれた形になってしまい一護はきょとりと白哉を見上げた。

    「積極的、と言うべきか漸く、と言うべきか」

    酔っ払い特有の繋がらない言動だろうかと思ったが、白哉の手の感覚に気を取られてしまいどうにも思考が纏まらない。
    綺麗ではあるが男性特有の節だった長い指がするりと動き一護の指を弄る。
    指の一本一本を擽られ、爪まで弄られて擽ったさと恥ずかしさが合わさって一護は顔を真っ赤に染めた。
    けれど止めて欲しくなくて白哉のされるが儘の手に視線は釘付けになっている。
    先程は柔らかかった白哉の視線に慾が滲み始めたのに気が付かず、一護は白哉に好き勝手された儘あうあうと唇を開閉するしか無くなっているのであった。
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