時空院さんと寂雷先生のお話(現在軸) 目隠しを外される。
徐々に明るさへ馴染む視界が、時空院のいるガラス張りの部屋を認識した。
二十畳ほどありそうな室内には自分しかいないようだ。転がされているマット以外に物もない。
ガラスの外は広い部屋で、多くの端末とモニタ、それから大勢の白衣の女達がいる。防音のようで外の音は一切聞こえない。
拘束具に覆われた体を動かして緩慢に上体を起こすと気付いた何人かが顔を向けてきたが、害はないと見なされたかそれだけだった。
手近な壁、というかガラスに背を持たれかける。正面には外側の部屋のドアが見える。
見つめて待つこと十分強、ようやくドアが滑らかに開いた。
制服の女に続いて長身痩躯の男が入ってくる。
猿轡を噛まされている口を動かす。笑顔になったつもりだができているだろうか。
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