恋は思案の外kbさんが元既婚者で奥さまとは死別されていて、元はメロンさんのお友達だった奥さん。kbさんとは長年連れ添ってきてメロン家とも仲良くて。
奥さまと死別されたのは知っているけど、kbさんに片想いのkbnくんが一年くらいアプローチをしてるんだけどkbさんは靡かなくて、奥さんが忘れられないとか言われちゃうんだけど、実はkbnくんへ気持ちが膨らみ始めている事を心の奥底へと押し込んでいた。そんなある夜にメロンさんとkbさんが飲んでる時に「あんたいつまで○○を言い訳にするんだいっ！あの子をあんたの逃げ道にするんじゃないよ！」みたいに叱られるんだけど、「わかってないのはどっちだよ！」と珍しく喧嘩になる二人。
それから、kbnくんがやんわりと少しずつ紐を解く様にしてアプローチを続けたある日に、酔ったkbさんがぽつりと、恋をするのが怖いんだと溢した。
ボクと○○はただ書類上の夫婦で、奥さんには別に好きな人がいたんだと。その人が結婚して、ジムリーダーでもトレーナーでも何でもない自分がどんどんとその人から離れていく様で怖い、報われなくても側に居たくて共通の友人であるkbに声をかけたんだと。止めたけど聞かなくて、何だか初めはかわいそうだなって気持ちもあって、悪い子じゃないのは知っているし、元より自分は愛だの恋だの興味もなくこの先に誰かと結婚とも考えていないし、同性を好きになるのは大変なんだなって、頷いてしまった。友達だし気心知れるし生活は難もなく夫婦の営みを強要されるでもなく、ただただ友人や同士のように生きてきて、でも近くで恋焦がれる彼女を見て、恋する盲目や報われない辛なさなどを間近で見てきて、死ぬその瞬間までその人の事を思って死んでいく姿を見て、儚くも怖くて悲しくて、言いようにない感情に飲み込まれた。
恋は怖い、あれにボクはなるのか、若い男のいっときの感情に飲まれていつか無惨に一人取り残されたら…ボクはどうなるんだろうか…段々とkbnへの気持ちで色々な物がぐちゃぐちゃになってわからなくなって怖くて、kbnを好きになるのを拒絶したとかなんとか。ボクに近づかないでよ…これ以上、ボクを掻き乱さないでよ…。お酒でへべれけになりながら泣くkbさんの手を取って、それでもオレはあんだか好きだよ。諦めないし置いてかないし歩けなくなりそうだったらおんぶしてでもあんたを引っ張ってくし、オレをなめんなよ…。
好きだよkbさん、愛してます。少しずつでいいからオレに近付いてきてよ…。って優しく笑うから、また涙が止まらなくて、忘れそうになっていた奥さんの最後の顔を思い出した。
「すきよメロンちゃん…」って最後に会いに来てくれたメロンの手を握りながら、とても晴れやかに旅立ったのを思い出して、メロンさんはlikeの方と思っているから、ばかっ、アタシもだよって泣きながら彼女を抱き締めていて、わかってもらえなくても最後に隠し通した愛を告げられて、彼女は幸せそうだった。
kb、恋っていいものよ？恋をしないなんて勿体無いわ？いつかkbにもそんな人が出来たらいいわね。その時はちゃんと別れてあげるから教えてねと笑う姿を思い出して、またkbは泣いた。

みたいな間近で盛大な愛を見過ぎて勝手に怖くなって勝手に殻に閉じこもっていたkbさんの殻を割ったのはkbnだったよって話。
そのあと何やかんやありながらもお付き合いを始めて、奥さんのお墓に報告しに行った時に。

「恋っていいもんだね」

って笑うkbさん…