後輩は可愛い【後輩は可愛い】
「セノ〜褒めてくれ」
「…………は」
ポカンとしたセノは組んでいたデッキの一部であるカードをテーブルに落とした。
目の前にティナリも驚きながらその言葉を発した張本人、カーヴェを見上げた。
何故見上げたのかというと、カーヴェはこの酒場に来たばかりだった。
「えっと……もう酔ってる」
「酔ってないぞ。まだ呑んでもいない。ただ、セノから褒めてほしいだけだよ」
「何で俺なんだ……」
「んー、セノ"が"いいから」
「意味が分からない」
セノとティナリの間の席、優雅に座った。
どうやら素面のカーヴェは注文した酒を楽しみに待っている。
セノを見ながら。
「……一つ、いいか」
「なんだい」
「褒めろと言っても、何を褒めればいい」
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