【アデル】
霊を祓う系霊媒師。霊を平均的に五感で感じる程度の実力者。ほっといたら大変なことになる依頼だけ判断し引き受けるが、フォルクスに丸め込まれて向かうこともある。
刺繍で護りをいれた服を身に纏い、様々な呪法や呪具を用いて依頼に寄りかかる。器用に呪具を使うがあくまでも平均的能力なので、頻繁に火事場の馬鹿力で解決し、その都度倒れ込んでいる。
以下、メリーローズの案件を知らずに最近の仕事内容について話すアデル。
「直近の成果？　フォルクスがよこした、怪奇現象で悩まされている屋敷の依頼があっただろう。亡くなった屋敷の住民が訴えたい事があったようで、裂かれたドレスの糸を引き抜いて、霊の残滓を読んで祓ったまでだ。私と相性がいい案件だったから迅速な解決に至ったが、正直肩透かしを食ったな。もう少し手応えのある依頼はないものか……」


【メリーローズ】
人に好かれやすく、霊には人一倍憑かれやすい。視覚より触覚で霊を感じる方。自身の体質を解決しそうとフォルクスに依頼した所、『その体質を利用して霊媒師になりません？』と謎の提案をされ、現在見習いの身。
実は“霊が僕になる程の魅了体質”が正しく、実力が開花できれば、霊をどうこう言い聞かせられるのは簡単である。
以下、事務所を訪れた日を振り返るメリーローズ。
「今日も天気がいいね、のテンションで『霊媒師にならない？』て言われた時、オカルト連中てのは頭イカれてる集団だと思ったけど……こうして大人しく見習いしてるオレも、十分どうかしてんじゃん？　ま、今まで人とかユーレイに流されてきたワケだけど、誰かに解決してもらうより自分から突っ込んだ方が早いかもってお告げはあの時あったんだわ。神さまとかあんま信じてないけど」


【フォルクス】
霊感は微々たるものだが、ずば抜けた直感と並外れた情報収集能力で業界に名を馳せている事務所の統括者。情報網がやたら広くあっという間に収集するため、業界七不思議のひとつになるわ、霊感なしは嘘じゃないかと噂されてたり。御守りの石をいつも身につけている。
霊が近寄らない体質でミステリアスな雰囲気もあり、業界人からは正体不明な人間像に拍車がかかっている。
以下、事務所メンバーについて。
「メリーローズは他の依頼客とは違って、姿が見えた瞬間に違和感を感じました。話を聞いて僕の提案で、度々アデルのもとを訪れて学んでいます。多才なアデルなら先生役も、なんとかなるでしょう。少々真剣なカナンの顔もあの時久しぶりに見ました、彼は普段動きはしません事務所の番犬ですので。さしずめ狛犬と言ったところですかね」


【カナン】
事務所に居座る霊能者。霊との対話が得意で、訪れた依頼主の内容が小さな問題ならちゃっちゃと片付けている。解決済みを依頼主に話さず、むしろ「気のせいじゃない？」と相談と全く関係ない話題をするので、依頼主らは怒るかあきれるかして帰り、いつの間にか霊は気のせいと、カナンが言った通りに日常に戻っていく。
以下、依頼主を見送る際のお決まりの会話。
「……え、帰る？　『真面目に聞かないからどうでも良くなった』？　そっかあ、僕はもう少し世間話したかったけど……そう言えば還り道はわかる？　ここ入り組んでるから一応教え……わかる？　うん、そうそう、玄関出てて“右に曲がれば還れる”からね。それじゃ、バイバイ♪」