目が覚めたら見知らぬベッドでパンツ一枚で眠っていた。
昨日の夜、どこかの女とラブホにでも入ったっけ? と思いながら広いベッドで寝返りをうつと、隣には半裸の男が背中を向けて寝転んでいた。
は? 俺が男と寝た? と一瞬困惑したが、その男の身体に刻まれたタトゥーでそれが竜胆であることが分かった。しかし、おかしい。どう見てもその身体は未成熟な少年の身体では無く、青年、大人、そんな印象を与えるたくましい背中である。しかも髪型も違う。そんなことを考えていたら、長い襟足がさらりと流れた。
目を閉じたまま竜胆らしき男が俺の方を向いて腕を背中に回してくる。
「ん~・・・・・・?」
「・・・・・・竜胆?」
竜胆らしき男が目を開いた。そして俺の姿を見て、「うわぁぁ!?」とベッドから飛び起きた。そりゃそうだ、俺だって本当はそのくらい驚きたい気持ちなのだから。
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