1月20日
サバイバー:完全勝利
教授:脱出
大法官:行方不明
泣きピエロ:脱出
(インク滲みにより解読不可能):脱出
「キーガン、お疲れ様!」
「ドンマイ!元気だして!」
「ね、新しいハンターの歓迎会行くでしょ?着替えてきなよ!」
声を掛けられ其方を向くが、見慣れない姿に何方か分からず返事をする事が出来なかった
見慣れない背中を目で追っていた私は、居館へと続く道の中程で膝から崩れそのまま脱力して地面に倒れた
空は端の方から暗み、微かな息苦しさを感じた
「私には…向いていない……」
目を閉じようとした時、何かを引き擦るような物音が聞こえた
それは先程の試合で私達と戦っていたハンター、教師…マルガリータ・ハリの足音だった
私が地に伏し空を見上げているのに気付いた彼女は歩を早め素早く体制を低くし、私の顔を覗き込んだ
「ミス・ハリ」
声を出した時、口の中が切れて血が出ている事に気が付いた
「よし、生きているな。すまない、最後に顔を殴ってしまったな」
私はミス・ハリに頭を両手で支えられ、上体を起こされた
必要以上に顔を殴られた件に対しては特に何の感情も無かった
しかし、頭部を殴打した際は内組織の傷の広がりを防止する為に、無闇に頭を動かさない方が良いと言う事を知らないようだ
「嫁入り前の女に悪いことをした」
「いいえ、私にはその様な事は関係がありませんので」
口早にミス・ハリへ声を掛けた
次の瞬間、私の口の中に胃液の嫌な味が込み上げ、私は地面に嘔吐した
吐瀉物は赤く、殆どが血液の様だ
ミス・ハリは背中を摩りながら呟いた
「なんかヤバそうだ。人を呼んでくるから、死ぬなよ」
サバイバーの居館へ向かい走り、去った
しかし幾らもしないうちにまた私の前へ戻ってきた
「なんか入れないんだが、サバイバーん家!」
入れない
そうか、思い出した
新しいハンターの歓迎会が開かれるらしい
そう伝えたいのに喉が激しく痛み、声が出なかった
「あっ、おい!キーオ!しっかりしろ!」
私はそのまま気を失ってしまった