地下室の花束 小学校にもまだ上がらない頃、もし十年経ったら、自分はとんでもない大人(いや、子どもか?)になるって思っていた。それくらい俺に意見する人はいなくて、親でさえ俺を持て余していたからだ。
父は俺が六眼や無下限呪法を持つ子だと分かった時、母を褒め称えるとともに、俺を恐れて違う女に手を出したのだという。母はそれを悲しんで俺に慰めを求めたが、やはり俺の目が恐ろしくなって、お抱えの呪術師たちに我が子を任せて子育てをしなかった。とはいえ、これは五条が呪術界の御三家というものだから仕方がなかったのかもしれない。生まれた時から尊大な名を背負うと定められた古い名家だ、昔の風習が残っていても誰が責められただろう。そんな家に生まれた男と、そんな男が選んだ女だ。最低の人間が出来たってしょうがない。
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