🧡❤️ (途中までしか書いてないやつ)「あ、、、全身痛え、、、。」
鳥のさえずる声と、外をかける子供の声で目を覚ました朝。爽やかな目覚めとは言い難いガスガスの声が喉から漏れた。ああ今日がオフで良かったと、今日ほど思った日はないだろう。声はガスガス、起きた瞬間から頭が切り刻まれてるみたいに痛むし、まだしも昨日の残骸を消化しきっていない胃から登ってくるアルコールのせいで口内環境も最悪。何やら腰も痛むし、顔の前に手をかざせば、噛み跡やら何処にぶつけたのかもわからない内出血やらが点々と散っていて、あれ、俺昨日格闘技してたんだっけ?と錯覚するほど痛々しい感じになっていた。
fuck、とぼそりと呟いて、痛む頭から逃げようとのそのそと布団で体を動かしていると、
グゴっ、というイビキと共にこれまた布団でゴソゴソ動く男がいた。
ヴォックス・アクマである。
昨夜ミスタと同じくらいの馬鹿の酒の飲み方をし、色々あった後にベットで気絶するように寝て今に至る。ただ、艶やかな黒髪をベットに浮かばせ、布団を抱きかかえて熟睡する姿は、痛む頭に眉を寄せ、寝転ぶたびに胃の中の液体が動く音のするミスタと比べ物にならないほど心地良さそうであった。なんか笑ってるし。
昨日より心なしか顔色がいい気もする。
なんだコイツ俺がこんなになってんのに隣でスヤスヤ気持ちよさそうに寝やがって。
見れば見るほどミスタの眉は今にもくっつきそうなほど近づいて、おでこに跡が残りそうなほど深いシワが刻まれてゆく。
叩き起こしてやろうか。起きて俺と同じ苦しみを味わえ。
そう、ミスタ・リアスは心身ともに疲れ切っていたのである。それこそスヤスヤ寝てるヴォックスの鼻をつまんだりなんかするくらいには、頭も働いていなかった。
さっきまで優雅に微笑んでいた口元が少し苦しげにパクパク動くのを、ミスタは肘をついてニマニマ見守っていた。
ん、、という寝言と共に瞼がピクピク動いて、お?と思ったその時
「う゛っ!!!!!!!!」
「ぎゃ!!!!!!!!!!!」
短い雄叫びと共に今まで見た事ないくらいのスピードで起き上がり、数秒停止した後、いまだにびっくりして静止しているミスタの頭に拳骨が落ちたのだった。
「俺を殺す気か」
「死なねーだろアンタ!!!」
「そういう話じゃない!」
骨がめり込んだ頭頂部をさすりながら負けじと言い返すが、どう考えてもミスタが悪いのである。ヴォックスは潰された鼻を確かめるようにさすりながら、これでもかというほど大きな欠伸をうった。大口をあけながらのそのそ頭を掻く様子は、さながら冬眠明けの熊の様だとミスタは思ったが言わないことにした。二発目を落とされてはかなわない。
「アンタ馬鹿みたいに力強いんだからちょっとぐらい手加減してよ。頭カチ割れるかと思った」
「頭が無事で何よりだ。これ以上おかしくなったら手がつけられないからな」
未だに頭を抑えているミスタの抗議を鼻で笑い、脳に酸素を回すべく再び大きく開かれた口からは、綺麗に整列した真っ白な歯とテラテラと光る真っ赤な舌が覗いている。陶器のような白い肌も相まって、何ともいえない艶やかさを感じさせる
ヒトよりも少し長く、先の尖ったそれがすっかり口に収まるのをボーっと見つめていると、
「そんなに俺は魅力的か?」
ヴォックスは軽く口の端を持ち上げた。
「自己評価が高くて羨ましいよ」
「つれないな。昨日はあんなに素直で可愛らしかったのに。」
「それどの口が言ってるワケ?」
「昨日散々もうイくだのイかせてだの喚いてただろうが」
「ハア〜〜?アンタだって散々喘いだ挙句に俺に抱きついてきたクセに」
「抱きつくくらいなんだ可愛いもんだろう」
ヴォックスは涼しい顔をしているが、あれは抱きつくとかそんな可愛いものではなかった。しがみつくと形容した方がきっと正しいくらいの力に、俺は真剣に自分の腰の心配をしたんだから。
「ハイハイ、じゃそういう事にしといてやるよ」
「なんだそれは」
案の定不服げな顔をしているヴォックスを背に布団を肩まで引っ張り上げる。昨日来ていた服がその辺(多分床)に脱ぎ散らかしていて見当たらないのだ。一応パンツは履いているが、パンツ1枚でこの冬の朝の冷え込みを防ぐことなどできるわけもなかった。
やっぱりさみぃな、なんて至極当然の事を思いながら摩擦熱を起こすべくゴソゴソしていると
「うぉっ」
突如肩に重みが加わり、反転。
「…お前さあ、」
視界に広がるのは天井、ではなくニタニタ笑うヴォックス の顔だった。今最も見たくない物ランキングぶっちぎりNo. 1である。最悪だ。早く寝かせてくれ。
「寒い時は人肌が1番らしいぞ」
「オッサンかよ、、。ねぇ重いんだけど」
下から見上げているというのに、美形には重力なんて関係ないらしい。台詞はただの変態のソレなのに。顔と言動がチグハグだ。
「俺疲れてんの!お前も早く寝ろよ!」
「寒いんだろう?」
「俺に今1番必要なのは暖取りじゃなくて睡眠!!うわっ!顔近づけんな!」
いつの間にか抑えられていた腕と唯一自由な足をバタつかせてみたりするが、死にかけの虫の様相を呈しただけでビクともしない。人間腕と肩を抑えられると碌な抵抗はできないという碌でもない発見だな。
はい、ここからちゅーして二度寝して夕方起きて晩飯を食う予定です。おしまい。