なぐさめ「どうせ俺はちゃんと締めたのにポタポタ水の漏れる蛇口……。」
　どうやらバカ4人組で話してバカしていて、通りかかった半田くんに過去の一時間彼女を暴露されたらしい。
　散々バカにされ尽くして帰宅後、ソファに腰掛けたまま頭を背もたれに乗せて天を仰いだり、膝に肘をついて床を見つめたりしてずっとブツブツ呟いている。
　そもそもこの私を恋人にしておきながら高校生時代の彼氏彼女ごっこに未だに囚われてるなんて許し難い話だとは思わんかね。これは少し「わからせる」必要があると思う訳だ。
　向き合った状態で両肩に掌を乗せて太ももの上に座り、そのまま額を合わせた。
　鼻の先が擦り合うような位置で、「ミﾟッッッッッッッ！」と不可解な声を漏らしていることも気にせず近すぎて焦点も合わない目を合わせる。
「こーんなに良い男を1時間しか見てないだなんて、なーんてもったいない！　君が『彼氏』としてとても素晴らしい資質を持っていること、シンヨコ中に言って回ってこようかな？」
　軽く音の出るようにキスして微笑むと、ロナルド君の体の横に脱力して落ちていた両腕が、止める間もなく私の腰を掴んで自分に引き寄せた。
「お前だけでいい……」
　スタイリッシュ洗濯板に頭を押し付けながら、胸元にささやく声量で告げられた。
「『彼氏』の俺を知ってるのはお前だけだ……」
　抱え込んだ頭をゆるく抱きしめて、つむじを見ながら銀髪に何度もキスを落とす。
「私のモノだよ可愛い昼の子。この熱さも、私だけの物だろう？」
　耳元に吐息混じりで囁きかけながら、抱き寄せられてから服越しに合わさったままの股間をそ・の・よ・う・に・動かす。
「ちょっ、お前！　……いいの？」
「あっち予備室に連れて行ってくれるかい？　ダーリン」