(夕暮れ、賑わうギルド内)
(カウンターで受付嬢と冒険者三人が会話をしている)
(弓使いが偵察の結果を報告している)
え?依頼内容と違う…?本当ですか?
ああ、確かに見た。あそこにいたのは二匹だ。
かしこまりました…そうですね…依頼内容の更新と、報酬の見直しを検討します。
あの…。
(魔法使いが弓使いの横から手をあげる)
はい?
その、クエストの更新も勿論なのですが……ここは一つ、このギルド全体に声を掛け、討伐隊を組むべきかと。
討伐隊…ですか。
万が一、奴らの手がこの街に伸びてきたら大変厄介です。街そのものが崩壊しかねない。
ヒトに成りすまし、潜入するような蛮族は確実に、討伐すべきです。
(剣士が割り込んでくる)
俺ァ魔物だ蛮族だの詳しいことは知らねーけどよ、上位蛮族?なんだろ?ノスフェラトゥってのは。
元々の討伐対象が俺たちのランクでトントンなのに、その上位種までいるってんならただ人数増やすだけじゃ足んねーだろ、お嬢。
(受付嬢は顎に手を当て考え込んでいる)
勿論上位種ではなく、眷属の可能性も十分にあります……でも…。
奴らが動き出してからでは手遅れになる可能性がある。例え下位のものだとしても、殺せるときに殺すべきだ。下手に少人数で戦闘を仕掛けて死んで、蘇生するのは互いに嫌だろう。穢れなんて積極的に背負うもんじゃない。
……わかりました。この件は私の方からギルド長に掛け合ってみます。緊急度の高い話ですから、早ければ今日中…遅くとも、明日の内にはお返事出来ると思います。
皆さんは一度、クエストの目的地、廃村付近まで行っていますので、討伐隊を組むことになったら隊を先導していただく形になるでしょう。
危険なポジションですが…受けていただけますか?
(三人の冒険者が互いをみやる)
(アイコンタクト)
望むところだ。元々、デカめの依頼をこなすつもりで受けてたんだからな。
(安堵した顔の受付嬢)
ありがとうございます。皆さんは確か、このギルドが運営の宿屋に部屋を取っていますよね。結論が出たら、伝えに行きますので、それまでどうかゆっくり休んでいてください。
今日は偵察、お疲れ様でした。
(三人はカウンターを後にする)