きみに読む物語 こどもの声がする。
覚えのある少年の、夢うつつでオールマイトはそれを聞く。
「お母さんが缶詰とかいろいろ送ってくれたんだ」
ハァと気のない返事もまた、知った少年のものだった。
休憩室のソファにオールマイトは座っている。
すこし休むだけのつもりがどうやら眠ってしまっていたらしい、気づけばかたわらには少年がふたりいて、手持ち無沙汰げに雑談をしていた。
OFAの継承者とその幼なじみの少年だった。
ふたりはテーブルをはさんで向かいあっている。爆豪がこちらの前に、緑色の頭はとなりにあって視界の端をちらちらとする。
現状や今後の課題を確認するためにふたりを呼びだしたのは自分だったなと、まださめやらぬ頭で考えた。
1833