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    ナイト・イン・カジノ続編(サンプル)
    未来if双子ハリ
    ハリー(22)
    フレッド&ジョージ(24)
    次の事件の内容と、ハリー周辺の関係もやんわり確認。前回使う機会のなかった、双子の制作するサポートグッズを盛り込みます。
    ※すべて捏造二次創作設定です

    このシリーズだいぶ気に入っております。
    モブ役人に名前がつきました👏

    Fanfare!ハリーの暮らしている家は、イギリスの田舎の片隅にひっそりと佇んでいた。マグルの街から車で少し走った先、道を一本外れたところに建っている。周囲は自然が豊かで、木々が茂り、春には色とりどりの花が咲き乱れる穏やかな場所だった。
    家の周りには魔法の防護を施しており、万が一にも非魔法族の人間が道を逸れて入って来たとしても、気が付くと元の場所に立っている。そんな、基本的なマグル除けの魔法がかけられている。
    家自体は、古びた石造りの一軒家で、屋根には少し苔が生え、どこか温かみのある雰囲気を漂わせている。魔法界の厄介な事件から少し離れ、のんびりとした日常を送るためには、この場所が最適だった。家の裏手には小さな庭が広がり、ひときわ大きなオークの木が立っている。その木の下では、落ち葉が風に舞う様子を見ながら、ハリーがのんびりと時間を過ごすこともあった。
    家の一角には事務室が設けられており、明るい日差しが差し込む静かな空間となっている。魔法の道具や本が並び、周囲にはハリーが使う魔法道具が整然と置かれている。落ち着いた雰囲気の中、彼の人生が静かに積み重なっていく場所だ。

    足元からは古びた木のフローリングが心地よく響き、窓の外には薄曇りの空が広がっている。

    今朝届いたばかりの手紙や日刊預言者新聞、取り寄せている雑誌の束を抱えてリビングを歩いていると、家のドアを軽くノックする音が響いた。
    ハリーの家を訪れるのは、友人か、家の場所を知っている一部の人間だけだ。荷物をテーブルに置くと、静かに玄関へ向かい、扉を開ける。

    「やあ、ポッター。おはようございます」

    微笑みながらそこに立っていたのは、案の定、知った顔だ。イーサン・フォスター。明るいブラウンの髪が少し長めのボブカットで、柔らかなカールが顔周りにふわりと落ちている。その髪は無造作にかき上げる仕草が似合っていて、きちんとした魔法省の制服を身にまといながらも、どこかリラックスした印象を与えている。鮮やかな灰色の瞳は、まっすぐにこちらを見つめ、どこか冷静さと知性を感じさせるが、その奥には慎重さや、時折見せる鋭さが隠れているようにも思える。高い頬骨と少し高めの鼻が彼の穏やかな外見に強さを加えていて、彼の存在感を引き立てていた。

    「…おはようございます。フォスターさん」

    彼がそこに立っている、という意味を理解しているハリーは、軽く頷いて彼を迎え入れる。「失礼いたします」と、穏やかな口調で、礼儀正しさを保ちながら、フォスターはゆっくりと部屋に足を踏み入れた。 そのまま、いつもの事務室へ案内し、ソファを勧めたハリーは、事務室の片隅にある茶器へと杖を振った。

    「いつもの紅茶でよろしいですか?」

    ハリーがふと振り返りながら尋ねると、フォスターは微笑みながら頷いた。

    「ありがとうございます。相変わらずお心遣いに感謝します」

    彼は、その穏やかな口調で答えながら、ハリーが用意した紅茶を受け取った。その様子を見守りながら、ハリーは向かいの椅子に腰を下ろす。

    「…それで、今日はどんなご用件ですか?」

    紅茶をひと口飲み、ハリーは無駄な言葉を避けるように、鋭く話を切り出す。 フォスターは少し間を置いた後、真剣な表情で話し始めた。

    「実は、ポッター…またお願いがありまして」

    その言葉には、先ほどまでの軽やかな調子はない。ハリーは気づかぬうちに、その話の先を予測していた。だが、それでもやはり目の前で役人が口にする言葉を、耳を傾けて聞かざるを得ない。
    無言の間を置いて話の続きを促すハリーに、彼は一瞬、気まずそうに目を逸らすと、ゆっくりと話し始めた。

    「以前、依頼した違法魔法薬物の問題で…新たな調査が必要なんです。貴方には前回、見事な仕事をこなしていただきました。今回は、その続きのようなもので……」

    そこまで言うと、伺うような視線が向けられる。ハリーは静かにその視線を受け止めながら、短く息を吐き、腕を組んでみせた。

    「船上カジノの件ですよね? あの件は、すでに依頼分を完了していますよ」

    「ええ、それはそうなのですが…」

    言い淀むフォスターは、申し訳なさそうに視線を逸らしながら続けたが、その様子が新たな依頼への厄介事の気配をありありと伝えている。ハリーの鋭い視線に、彼はさらに言葉を絞り出すように続けた。

    「今回の件はどうしても、貴方に頼む他ないんです。…実は、今回の事件には魔法省内の一部も関わっていて…」

    その言葉が、ハリーの予感を確信へと変える。魔法省内部の関与、となるとただ事ではない。依頼が再び複雑化し、何かしらの陰謀めいたものが絡んでいることが感じ取れた。ハリーはフォスターを静かに見据え、その言葉を待つ。
    フォスターは一瞬、ため息をついてから、さらに重い口調で続けた。

    「……魔法省の内部で、事件に関与している人物がいると報告が上がってきました。ただ、問題なのは、その報告をしたのも同じ魔法省の職員だということです。彼は『真相を暴いて不正を正したい』と言っていますが、正直なところ、告発された人物を排除して自分の立場を有利にしようという意図が見え隠れしている。
    単なる犯罪捜査ではなく、魔法省の上層部同士の権力争い……そんな事情が絡んでいる案件なんです」

    フォスターは慎重に言葉を選びながらも、はっきりとした口調でそう続けた。
    ハリーは小さく鼻を鳴らし、軽くソファの背にもたれた。

    「……なるほど。つまり、魔法省の誰かが違法取引に関与していて、それを暴こうとしているのもまた魔法省の方。けれど、その目的は正義ではなく、ただの権力争い……そういうことですね」

    皮肉気に微笑みながら、カップを手に取る。紅茶はまだ湯気を立てているが、今の話を聞いたせいで、その温もりさえ少し冷めたように感じた。

    「それで、僕に何をすればいいと?」

    フォスターは少し肩をすくめ、苦笑ともため息ともつかない表情を浮かべた。

    「調査を。『公正な視点』でお願いしたいのです」

    「僕が、ですか?」

    「貴方は魔法省に属しておらず、組織内の事情にも関与していません。そして…『ハリー・ポッター』だ。だからこそ、この件をお願いするには最適だと判断されました」

    ハリーはカップの縁を指でなぞりながら、ゆっくりと息を吐いた。

    「魔法省は、相変わらずですね。僕に頼めば『公正』になると……そんな都合のいい話があるのでしょうか」

    呆れ混じりの言葉を口にしながらも、ハリーは静かに視線をフォスターへ向けた。

    「……申し訳ありません。僕は、その依頼を受けられません」

    ハリーの言葉に、彼は初めからわかっていたような顔をしてそれを受け止めていた。彼とはそれほど親しい関係を築いてはいないが、長い付き合いだ。ハリーがなんと答えるのか、ある程度は予想していたに違いない。

    「僕は、魔法省内部の争いに巻き込まれるつもりはありません」

    ハリーは静かにそう告げると、フォスターの反応を待つように視線を向けた。
    フォスターは微かに目を伏せ、手の中のカップをゆっくりと回した。

    「……そうおっしゃると思っていました」

    彼は静かに息を吐き、再びハリーをまっすぐに見つめる。その瞳には落胆の色はなく、むしろ慎重に言葉を選ぼうとする理知的な光が宿っていた。

    「ですが、ポッター。今回の件は、単なる権力争いではありません」

    そう前置きすると、彼は手の中のカップをそっと置き、指先を軽く組む。

    「もちろん、あなたがこうした問題に関わりたくないお気持ちは理解しています。しかし……事件そのものは、見過ごせるようなものではないんです」

    声の調子はあくまで穏やかだが、その奥には静かな熱意が滲んでいた。

    「依頼をお受けいただけなくとも、どうか話だけでも聞いてはいただけませんか?」

    まるで、説得の材料を揃える猶予を求めるように、フォスターは丁寧に切り出した。
    彼は手元に置いていた封筒を静かに取り上げ、中から数枚の書類を取り出す。ハリーは差し出されたそれを一瞥し、わずかに息を吐いた。仕方がない、とでも言うように、書類を受け取る。指先で軽く弾くと、厚みのある紙がわずかにしなる感触が伝わった。
    フォスターは何も言わず、ただ静かにハリーの反応を窺っている。表情こそ変わらないが、その瞳には微かな期待が滲んでいた。

    やがて、ハリーは小さく頷き、軽く読み終えた書類を脇へと置く。

    「……検討はしてみますよ」

    渋い声でそう告げると、フォスターの肩の力がわずかに抜けた。
    彼の表情に大きな変化はないが、それでもどこか安堵の色が見える。まるで、最低限の橋がかかったことに、わずかながら安心したかのように。




    +++++++




     店内に足を踏み入れた途端、色とりどりのパッケージが目に飛び込んできた。棚という棚には所狭しとイタズラグッズが並び、宙を漂う煙玉や、陽気な音を立てるおもちゃの爆弾が、店の空気を賑やかにしている。レジ近くでは、自動で形を変える帽子がくるくると回りながら陳列され、まるで客を誘惑するかのように姿を変えていた。

    「さあさあ、奥へどうぞ!」

    ジョージが陽気に手を振り、フレッドは「道中、何か踏んでも気にするなよ」と悪戯っぽく笑う。その言葉通り、床にはどこからともなく転がってきた鳴き声を発するビー玉や、足元に絡みつこうとする魔法の紐が潜んでいる。

    「相変わらず賑やかだね」

    ハリーは呆れたように笑いながら、器用に罠を避けつつ二人についていく。奥へ進むにつれ、店の喧騒は次第に遠のき、やがて、ひときわ頑丈そうな扉の前でフレッドが足を止めた。

    「さて、それじゃあお楽しみの時間だ」

    彼は軽く肩をすくめながら鍵を回し、ジョージがにやりと笑う。

    「我らが秘密の作戦会議室へ、ようこそ」

    扉が開かれると、そこには店の賑やかさとは対照的な、落ち着いた空間が広がっていた。部屋の奥に置かれた重厚な造りのテーブル。その前には応対用のソファとローテーブル。小さな暖炉からは温かな明かりが零れていて、半地下なのか、部屋の上部に取り付けられた窓からは外の白い光が差し込んでいた。天井は低いが、居心地はいい。二人の作業スペースでもあるのだろうけれど、ハリーにとっても、ここはいつ来ても心が落ち着く場所だった。

    テーブルを囲んでソファに腰を下ろしたハリーは、早速話題を切り出した。向かいに座るフレッドとジョージが静かに見守る中、ハリーは言葉を選ぶように話し始める。できるだけ、二人を巻き込みたくないという気持ちはあったが、『何かあれば二人に相談する』と、以前約束したことがあった手前、黙っているわけにはいかない。それに、二人はハリーにとって、欠かせない相棒でもある。

    「それで?」

    ハリーの話をひと通り聞き終えたフレッドが、少し楽しげに先を促すように言った。ハリーが不安そうな顔をしているのが見て取れたからだろう。ハリーは少し沈黙した後、心を決めたように顔を上げた。罪悪感が胸に重くのしかかるが、それでも彼の目には決意が浮かんでいる。

    「依頼の内容は、調査だ。だけど、僕はそれを受けるつもりはない」

    その言葉は、覚悟を決めたようにしっかりと響いた。それを聞いたジョージは、手元で新しい商品を弄りながら軽く肩をすくめ、口の端を上げた。まるで何かを察したかのような表情で、嬉しそうに言葉を紡ぐ。

    「じゃあ、今回は好きに暴れていいってわけだ」

    その言葉にハリーは頼もしさを感じながらも、自然と頷いた。その温かい目線が、ハリーの胸にほっとした感情をもたらす。話を続けながら、ハリーは目を細めて説明を始めた。

    「違法薬物の材料として、ある魔法生物が使われている。それは珍しい生き物で、その成分が先日押収した魔法薬に特別な効果を与えているんだ」

    ハリーは深呼吸を一つし、その後、ため息まじりに続ける。

    「魔法生物の保護も含めて、魔法省に任せればいい話なんだけど……事件に関わっている人物が、どれだけいるのかも分からない。だから、今回は独断で潜入して、魔法生物を回収するつもりだ」

    その決意を語るハリーに、フレッドは無言で頷いた。

    「ハリーがそうしたいって言うなら、俺たちはもちろん協力するぜ」

    片目を閉じて軽い調子で答えるフレッドは、口元に楽しげな笑みを浮かべながら立ち上がった。

    「よし、それじゃあ、早速作戦会議だ!」

    ジョージもそれに続いて勢いよくソファから跳ね起きた。二人は視線を交わし、瞬く間に何かを決めたように同時に口を開く。

    「「まずは道具だな!」」

    ジョージが手に持っていたイタズラグッズの中から、いくつかのアイテムをテーブルに並べていく。フレッドもまた、棚の奥から何やらゴソゴソと取り出しながら言った。

    「潜入だろ? なら、目立たない方がいいな。これ、透明化ポーション。少しの間だけ透明になれるが、完全じゃないから慎重に使えよ」

    フレッドは一つの瓶をハリーに渡すと、続けてジョージがポケットから小さな装置を取り出した。

    「これが、音を消す魔法の装置。あんまり使いすぎると逆に目立つけどな」

    「…いつも思うんだけど、二人の作る道具って本当に便利だよね」

    ハリーが感心していると、ジョージがにやりと笑って言った。

    「これでも、こっちの仕事だからな。でも、ハリーがこんなことに巻き込まれるのを見てると、嬉しくなっちまうぜ」

    フレッドも頷きながら、少し得意げに笑った。

    「そうだな。たまには本気で楽しむってのも悪くない」

    二人の軽快なやり取りに、ハリーは少し肩の力を抜いて頷いた。こうして一緒に作戦を立てる時間が、どこか懐かしく感じられた。




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