Golden Eye金の瞳
「許可しねぇって言ってんだろォ──、海楼石の銃弾は、普通の人間ならともかく能力者の自己再生を著しく低下させる…おめぇでも変わらねぇよ──、動き回らず医務室内で大人しくしてやがれ──」
「けど!……んぎっ!」
寝台に括り付けられているのは、不死鳥マルコの胴体である。サッチに一言詫びたいと包帯に巻かれた羽をしっちゃかめっちゃかに、ばたつかせてまで医務室を飛び出そうとする弟を、どうにか寝台にシーツで括り付けたのは力自慢の兄達の仕事だった。
「落ち着け、マルコ。おまえだってまだ万全じゃねぇんだ!自分の身体をまず治せ、サッチもそれくらい分かってる!」
「そうだ、それにおめぇ…その状態でサッチにどうするつもりだ?再生の炎分け与えようってのか?」
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