数年前に降り注いだ100を超える隕石が原因で引き起こされた異常気象と、日に何度も訪れる地震の影響による地殻変動によって、この星は崩壊の一途を辿っていた。
日照りで海が枯れ一部の水棲生物は絶滅し、酸の雨に穿たれた高層ビルはいつしか崩れ落ち瓦礫の山と化した。
ある活火山は3年もの間噴火が止まらず、流れ落ちた溶岩と降り注ぐ火山灰はついに1つの大陸を滅ぼすに至った。
指を一つ一つ折り畳んでも数えきれないほど多くの厄災がこの星を飲み込み、人類は総人口の99%を失った。
残された人類はとある科学者が作り上げたコールドスリープ用のカプセルに入り、いつか救われることを信じて眠り続けることを選んだ。
旅行に行く前日のように少し浮かれた表情でカプセルに入っていく女もいた。ここから先は地獄だと、辞世の句を詠んだ男もいた。また明日ね、とお互いに手を振り合う子供たちもいた。
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