ホワイトデーギャルドラ「さて、ホワイトデーと言うわけで簡単にチョコ作るぞ」
はーいとのんびりした声でみんなが返事する。
今日はいつメンでホワイトデーのためのチョコ作りをするのだ。
俺はブレイバーンとスミスに、クーヌスはスミスへ、ペシミズムは委員会の子達とヴァニタスへ、ヴァニタスはペシミズムと自分用に
スペルビアはルルと部のメンバーに、クピリダスは色々渡す人がいるとの事で手間は掛けずに簡単に出来るのをやろうと言う訳だ。
工程は簡単、溶かしたチョコを紙カップへ流し上に飾り付けして完成というやつ。
理由は10割クーヌスの為だが、簡単な上に量産も出来るからじゃぁみんなで作ろうということになった。
『さて何からしようかしら?』
『まずはチョコを砕いて溶かす所からですね、クーヌス板チョコそのままで大丈夫なので割っていただけますか?』
「ペシとヴァニはぁ…、なんかしててくれ」
『まぁ…アタクシ達は飾り付けるだけだものねェ』
『交代でやっていこうではないか、ペシミズム達はルルちゃんと遊んでいようぞ』
『丁度3人で分かれているし良かろう。…ほらルル、ペシお姉ちゃんとヴァニお姉ちゃんにご挨拶は?』
「ががぴぃ…、るるは、るるでし。さんしゃいでしゅ」
『やだぁ〜!可愛いわァ!!ヴァニタスお姉ちゃんです!ヴァニって呼んでちょうだいね』
『ペシミズムはペシミズムである。長いゆえペシお姉ちゃんと呼ぶとよい』
「ががぴー…」
『すまんな、照れてるようだ…普段は元気な子なのだが…』
『いいわよォ、知らない人いっぱい居るからびっくりしちゃったのねェ』
『良かったら絵本を読まないか、ルルちゃん。どんなお話がいい?』
思わず不穏な単語が聞こえて俺達は急いで振り向く。
あ、良かった普通の絵本っぽい。
さすがに子供相手に怖い奴やらは見せないよな。
安心して沸騰しないくらいで温めたお湯の上にボールを置きその中にクーヌスに砕いてもらった板チョコを入れていく。
お湯が入らないように気をつけてかき混ぜていき溶かす。
まずは第一陣を溶かし切ったら型へ流し込んでいく。
まずは俺から飾り付けていく。
星型やハートがあるデコシュガーを置きアラザンを振りかけていく。
あとは小さいキャラ物のチョコレートを上に置いて俺の番は終了。
少し置いて冷蔵庫へしまう。
飾り付けしてる間にクーヌスがチョコを溶かしているようだった。
クピが手際良くカップを並べていき俺が作ったやつと交代で配置する。
溶かすだけなら問題なさそうで安心している。
するとクピがこそっと耳打ちする。
『クーヌス、簡単な作業なら大丈夫そうですね』
「そうだな…、あとは飾り付けでどうなるか…」
『ガガピー…、やはりそこですよね。まぁ何とかなるでしょう』
目配せし頷いて飾り付け用のシュガーやらを置いてあげる。
クーヌスもドキドキしながらそっと型へ流し込んでいく。
『これ?これを上に乗せればいいのか?』
「そうそう、好きな感じでいいからな。そういうチョコの作り方だから」
『ですがかけ過ぎのせ過ぎはダメですからね、まずは少なめに置いてみましょう』
『う、うむ…、これはなんだ?』
「それもチョコだよ、柄が見えるように乗せて…そうそう、アラザンはどぱっと出やすいからそーっと掛けろよ?」
『デコシュガーも気をつけて、慣れてきたら加減が分かりますから』
『ふふ、可愛く出来たのではないか?』
クピと2人でうんうん頷いて、クーヌスの自信に繋がりそうでホッとする。
実際可愛らしいデコチョコで、ルイスの青でまとまっているいい出来と思う。
「可愛いと思う!」
『ですねぇ、色もまとまっていますから綺麗です。クーヌス、喜んでもらえると思いますよ』
『そ、そうか?そうだと良いが…』
「はいはい、渡す前に凹むなってば!」
『そうですよ!こんなに可愛いんですから!!自信持たなきゃ!大丈夫です、受け取らないとかほざいたら埋め立ててやっからよ…!!』
「クピ、抑えて抑えて。良かったら俺と一緒に渡そう?それなら大丈夫だから」
『ありがとう、イサミン…』
流石のクーヌスも度重なるアタックをスルーされてる事にはショックを少なからず受けている様だった。
まぁ確かにアタックの仕方もあると思うので渡す時はちょっと落ち着いていこうと話した。
ラッピングのやり方を教えていると後ろでクピがチョコを溶かし始めていたので俺のやつとクーヌスのを冷蔵庫へ仕舞う。
するとルルが気になってきたのか駆け寄ってきた。
「イサミぃー」
「ん?どうしたルル?」
「るるも、ちょこつくるぅ」
『じゃあルルちゃんも作ってみましょうか、チョコはあちちなのでこのカップにチョコを入れてる時は触っちゃダメですよ。おててがいたいいたいになりますからね』
「いいタイミングだし交代するか」
『うむ、ルル。ほらスパルカイザーのエプロン付けるのだぞ』
「しゅぱるかいざー!!」
『あら!ルルちゃんヒーローさんみたいねェ』
『かっこいいぞ、ルルちゃん。さぁペシミズム達も取り掛かるか…あぁ悲しい…エプロン忘れてる』
『アンタ試食する気満々だったでしょうが!ルルちゃんに付いててあげなさい!アンタも飾り付け担当!』
「ぺち、るるとおそろ?」
『うん』
2人はチョコが溶けて型に入れるまでの過程を見ていて、ルルは楽しそうにしている。
飾り付けでは主にルルだが楽しそうな声が聞こえてきて良かった。
俺たちは課題をやりつつ様子を覗いていた。
『楽しそうで良かった、計画して良かったです』
「だな、多めに作ってるし余ったらみんなで食べようぜ」
『良い案だな、それなら晩御飯食べた後にしようではないか』
さんせー!とクピとハモりながら課題を続けていく。
…俺も随分みんなのノリについて行ける様になってきたな。
隆姉さんからも明るくなっていいって言われる、ブレイバーンは、特に変わらないな。
あーでもなんかこの前スカート短いってちょっと怒ってたな。
ちょっとスカートの丈上げただけなのに。
「あ、それなら晩飯作っちまうか」
『課題もキリいいところまで終わりましたし…時間も良さげですから』
『何を作るのだ?』
『お鍋にしましょう、人も多いですし。調理は卓上コンロでしちゃいましょう』
「クーヌスも作ろう、材料入れるだけだから」
『う、うむ…!』
ノートやらを片付けて、消しカスとかを卓上クリーナーで綺麗にしていき布巾で拭き上げる。
冷蔵庫に入れてあらかじめ用意してた食材たちを持って、卓上コンロと鍋等を借りる。
二度手間にならないようにあらかじめ鍋に油を引いておいて、コンロをセットし火をつけ弱めにして鍋を置く。
豚バラを先に焼きその後に野菜たちを炒めていく。
どうせ煮込むので火の通りは気にせずにそれなりに通ったの確認して水を入れる。
あとは蓋して放置。その間にチョコ組の様子を見る。
『見てちょうだいよォ〜!!ルルちゃんこんなに綺麗なの作ったのよォ!』
「すごいじゃないか、ルル!」
『上手にできたな、ルル』
『素晴らしい色使いではないか!ルルちゃん』
『才能があるかも知らんな…おぉ、悲しい…せっかくできた傑作を食べなければならんとは…』
『また作れるでしょおバカ、ルルちゃん誰に上げるのかしら?』
「みんなぁー!」
小さい子の無邪気な笑顔は何でここまで刺さるのか。
にぱーと笑う顔が可愛いくてみんなして抱きつく。
何でいい子なんだ。
「うひひひ、くしゅぐったい」
きゃーとぱたぱた走り回るルルにみんなニコニコしてしまった。
作ったチョコは冷蔵庫へ入れて、明日くらいにラッピングしていこう。
するとぐつぐつと鍋が煮える音がしてきたので、スペルビア達に後片付けを任せてご飯を作っていく。
といっても豆腐入れて鍋キューブを入れていくだけなのだが、ルルがキューブを入れたがったので開けさせて
入れさせてあげる。
「おいしくなーれ!」
「ありがとう、ルル。もうご飯できるからな」
『ルルー、お箸みんなの分あるから渡してくれぬか?』
「ん!わたす!」
『本当にいい子ねェ、ルルちゃん。将来絶対美人さんになるわっ!』
『そういえば、ルルちゃんは大きくなったら何になるのかしら?』
「すぱるぅーかいざーっ!!」
『カッコいいではないか、ペシミズムも応援するぞ。ヒーローは誰がなってもよいのだから』
「えひひっ…!!」
ペシミズムに頭を撫でてもらって嬉しそうにするルル。
最初会った時はすごい警戒されまくってたりしてスペルビアが苦労してたっけ。
よかった、今笑えるようになってくれて。
食器の準備をして、鍋もいい具合に煮えてきた。
「それじゃあ食うか」
はーいっとみんなが集まり器にそれぞれ好きによそっていく。
ルルのはスペルビアが持ってあげて、少し冷ましてから渡してあげていた。
みんなもよそったのを確認したらいただきますと食い始める。うん、美味しい。
鍋キューブ様々だ。
『美味しいぞ、これ何を使っているのだ?』
「これ、美味しいよ。トリだし、俺これでうどんも作ってるわ」
『簡単に美味しいモノ作れるのって最高よねェ♡』
『ルル、付いてるぞ。…慌てなくてよい、ゆっくり食べなさい』
「ふぁ、いっ」
『クーヌス野菜も食べなさい』
『た、食べてるではないかっ!!』
『ダメですよ、ただでさえ偏食なんですからちゃんと食べなきゃ。ほら器お渡しなさい』
『ぐぬぬっ…』
「う?どーじょ?」
『ありがとう、ルルちゃん。ちゃんと好き嫌いなく食べれて偉いですねぇ』
「ひひひぃ…るるいいこって!」
『あぁ、ルルはいい子だとも。すまぬ、クピりん我にも盛ってくれ』
『いいですよ、白菜多め?』
『うん』
俺も自分で盛り食べていく。
談笑し合いながら食べていけばちょうどよく具材が少なくなっていった。
ここら辺で〆ようとうどんを出してもらい、卵でとじる。ルルはどうやら子供らしく卵とかそう言ったものが大好きなようで、いっぱい平らげてくれた。
だかお腹いっぱいでお風呂やら入ったからか眠くなってしまったようだ。
「るるぅ…まだ、おきゆ…おきゆのぉ…まだ、ねむざゃ…ぅ…」
「ルル限界だな」
『その様だ、寝かしつけて布団を持ってくる』
「布団持ってくる時呼んでくれよな、手伝うよ」
『うぅ…あた、くしも…ねむくないわよぉ…』
『ヴァニタスも大概子供っぽいですね、まったく』
『ペシミズムもそう思う、ほら離れぬかヴァニタス。本が読めぬではないか』
『まぁいい時間だ、そろそろ寝る準備をしよう。明日はラッピングしてから暇だし…ルルを連れて出かけるのも楽しそうだ』
ピロンと通知がなる。
どうやら、ルルに捕まってしまったようで一緒に寝れないとのことだった。
ヴァニをペシミズムに任せて布団を取りに行く。
『む、すまなんだ…離してくれなくてな』
『構いませんよ、一緒に寝てあげてください。知らない人がいて疲れちゃったんでしょうから』
『ありがとう、…色々とルルにも気にかけてくれて』
「気にすんなよ、お前だって色々気を使って疲れたろ?俺らももう寝るから、ゆっくり寝とけ」
『あぁ、ありがとう。おやすみ、みんな』
おやすみとルルを起こさないようにそっと部屋を出てテーブルを台所側に寄せて布団を敷いていく。
あらかた敷いたらみんな適当に寝転がったのを見て電気を消す。
『ぅーん、…ふらぺちの…』
『夢でも飲んでおるぞこいつ』
『好きすぎだろ、あまりにも。ちょっとなんか言ってやれ』
『フラペチーノと二郎系ラーメンのカロリーは=…』
『っ…?う゛ぅんっ…??』
「おい、可哀想だからやめてやれ…、…明後日は中間テスト…」
『ぅう、うん???』
あまりにも面白くうなされるもので声を押し殺してみんな笑う。
さらりと目にかかる前髪を分ける。…そろそろ髪切らないとな。寝っ転がって適当な話をしながら眠りについた。
─────…………
ちゅんちゅんと鳥が鳴く声が響く。
朝日が目に染みて起き上がる。
『おはよーごさいます…』
「おはよクピ…、まだみんな寝てる?」
『んん…おはよ、いさみんぅ…くぴりん…』
『おはよ、ヴァニ。朝強いんですね…』
『クーヌスとペシミズムはまだ寝てるっぽいわ…朝ごはんどーするゥ?』
「そうだなぁ…みんな起きるまで時間あるし…あれつくるか…あのーあれ…卵につけるパンのやつ…」
『あっ、あー、あ…なんでしたっけ…〜〜喉元まで来てるんですけど……美味しいやつですよね』
『あれでしょ、あれ…えっと、そうフレンチトースト!』
あぁ!!とようやくすっきりして起き上がり材料を確認する。問題なさそうなのでスマホで作り方調べて作っていく。
染み込ませる時間があるので丁度いいな。
仕込みを終えてカフェオレを入れていたら居間で寝ていたみんなは起き出してきた。
『ー…おはよう』
『ん、もう朝…悲しい…まだ寝ていたいのにカフェオレのいい匂いで飲みたくなっている…うぅまだ寝転がりたい…悲しい…』
『寝起きの悪さはペシミズムの方なのよねぇ、ほら起きなさいよペシミズム。フレンチトースト食べちゃうわよ』
『おぉ、朝からオシャレではないか…って今5時なのか…早すぎじゃないか?』
「俺もそう思う、だから作ったんだよどうせ染み込ませる時間必要だったし」
『スペルビアは?まだね寝るのかしら』
『そのまま寝かしてあげましょう、今日お休みですし』
「そうだ、出掛けがてらチョコのラッピング材買いに行かないか?」
『いいわね、それ』
ご飯を食べてからの予定も立てつつ、みんなで財布を確認しスパルカイザーのおもちゃがいくらするのか調べる。
『今のおもちゃ完成度高いからお値段は納得ね…』
『そうですねぇ、まぁルルちゃんの笑顔でプライスレスとしましょう』
「だな、まぁ欲しいのはルルに選んでもらおうぜ」
『あ、テレビ付けてよいか?天気知りたいぞ』
ぴっとテレビをつけて音量を小さくする。
どうやら今日一日は快晴のようだ。
みんなと話して今日1日の予定を決めていく。
7時ごろスペルビアが起きてきた。
『おはよう、みんな…早いな』
「おはよ、スペルビア。ん、もう7時か早いな…ルルは?」
『まだ寝ておった、そろそろ朝餉か?』
「いやもうちょいかな…、ルル起きてからでも良いだろ」
『スペりーん、午後くらいにルルちゃんも一緒にお出掛けしたいなーって思ってるのよォ。どうかな?』
『うむ、構わぬ。どこへ行くのだ?』
『リムパックモールに行こうかと話していたのだ、あそこならシャトルバスが駅から出ているからそれで行こうという話になったんだ』
小さな足音が聞こえて振り向けばルルが目をこすりながら起きてきた。
それぞれがおはようとルルに声を掛ける。
ルルは照れながら挨拶を返してくれた。
時間も丁度いいし朝ごはんの準備をする。
さらに出来上がったフレンチトーストを乗せていきルルも手伝ってくれて運んでくれる。
朝飯を食い終わり布団等片付けも含めて分担していく。
着替えて出かける準備を万端にする。
ルルも楽しそうに道中移動してくれて良かった。
モールに付き、まずは100均へ向かいラッピング袋や留めるためのモールを買っていき、雑貨屋で良さそうなものを買う。
そして玩具屋へ行きルルに欲しいおもちゃを選んでもらう。
「ん!」
「え?これでいいのか?」
ルルが持ってきた玩具は明らかに女の子向けのおもちゃだった。
『スパルカイザーあるわよ、変身がいい?それとも武器のほうがいいかしらァ…』
『ルルちゃん、それほしいの?』
少しくらい顔をしたがすぐにこやかになって頷くがこれは何かあったなと思い極めて冷静に聞こうとしたら
「あー!!」
と男の子の声が響く。
指を指した先はルルだった。
「やーい女の子のやつかってもらってやんのー!おんなのこがすぱるかいざーになれる訳ないじゃんかー!!」
一瞬時が止まったのかと思った、俺はあまりにもむかつき過ぎて血の気が引いていて若干寒い。
だがすぐに親御さんがきて平謝りされてしまったので溜飲が下がったが、ルルが泣きそうになっている。
スペルビアが頭を撫でてやる。
『ルル、我らはちゃんとルルがスパルカイザーになれるのを知っている。だから泣かないで、あの男の子よりかっこいいスパルカイザーになって見返してやろうではないか!』
「いいの…?るるおんなのこなのに、いいの?」
「そんなの関係ないぞ、ほらルルちゃんと欲しいやつ持っておいで」
嬉しそうにスパルカイザーのおもちゃを抱えて頬擦りしてる。
嫌な予感を察してヴァニを抱えて広場のベンチで待っていた4人に声を掛ける。
男の子が叫んだ瞬間ヴァニを抑えてくれて助かった。
まだちょっと暴れかけてるが
『んぎぃい!!ぎっ!!』
「落ち着け子供が言った事だから」
『そうですよ、ほらクールダウン。ルルもちゃんと選んでくれたよ』
「ん!」
『ならよかったわぁ!良かったわねぇルルちゃん!』
『ふふっ、お腹も減りましたし休憩がてらフードコート行きましょう。後何買いますか?』
「俺は晩飯の買い出ししたいな」
『アタクシは大丈夫よ、みんなに付き合うわ』
『ペシミズムもだ』
『私は面白そうな雑貨屋を見つけたのだラッピング専門とのことでな、ご飯食べたら寄らないか?』
そうしてフードコートへ向かい、各々食いたいものを買ってきてのんびりする。
混み合ってきたので片付けてクーヌスが言っていた雑貨屋へ向かう。
ルルはゲームセンターに行きたがったようでスペルビアと俺とクピがルルについて行ってやり、ペシミズムは近くにあった本屋へ向かって行った。
どうやらすぐお目当てのものを変えたのかクーヌスとヴァニがルンルンで出てきた。
「どうだった?」
『穴場よ!!あそこ!可愛くて種類いっぱいなの、ペーパークッションもあってカラバリも多いの!』
『いい店を見つけられた、そろそろ帰ろうではないか』
「そうだな、ペシミズムが本屋にいるから迎え行こう」
本屋に向かい、ペシミズムを見つける。
「なんかいいのあった?」
『いや、ランキング載っているものは読んでいたものだったしめぼしい奴もなかったな…』
「さすが本の虫。そろそろ帰るかーって話になったから行こうぜ」
『うむ、ペシミズムも疲れた』
合流しシャトルバスで駅まで向かい、スペルビアの家でラッピングする。
クーヌスがめちゃくちゃ上手くて習ったりしていたらいつの間にか夕方になってしまった。
『早いわねぇ時間経つの…うふふ、クーヌスにまた得意なこと見つかって良かったわァ』
『そうですねぇ、よくもまぁこんな綺麗に…』
『昔テレビで見たものを真似ただけだ。喜んでもらえて良かった』
ラッピングしたものを纏めて準備ができたやつから帰っていった。
俺もルルとスペルビアに挨拶して帰った。
■□■
なんやかんやで放課後、ブレイバーンとルイスを呼び出しど緊張してるクーヌスを励ましながら一緒にチョコを渡す。
「ほらよ2人とも」
『本来であれば逆だったんだろうが…嬉しいものだな!!ありがとうイサミ!』
「クーヌスもありがとう、何も渡してないのに悪いな…」
『構わぬ!喜んでもらえて良かったそれじゃ!!!』
「え!?行っちゃった…」
ルイスは繁々ともらったチョコを見ている。
『食べるのが勿体無いな…かわいらしいぞ!』
「ルルも一緒に作ったからな」
『スペルビアの姪っ子か!あれ、そういえばルイスお前姪っ子ちゃんが通ってる幼稚園でバイトしてなかったか?』
「え?あ、あぁ、ルルちゃんだっけか、よく懐いてくれるよ。そうかスペルビアの…」
「あぁ、いい子だろ?」
「すごくな、スパルカイザー好きじゃなかったか?Tシャツ着て行ったらすごい喜んでてな。ルルなら素敵なヒーローになれるって言ってあげて…」
『ほう?そんなに素敵な子なのか、私も会ってみたいものだ。今度はスペルビアも交えて出掛けたいな、イサミ』
「そうだなたまにはいいかも…、スペルビアも色々気を使うことが多そうだから羽伸ばしてほしいしなー…」
次遊ぶ計画を立てながら帰路に着く。
本当は勉強会だったんだが、ヴァニタスが知恵熱を出してしまったのでお流れになってしまった。
まぁ元々スペルビアは部活だしペシミズムも鍵閉め当番だしクピも用事で早々と帰って行ったので暇になってしまったのだ。
ルイスは用事があるとのことで先に別れる。
ブレイバーンと2人で帰り、家まで送ってもらう。
「毎回悪いな」
『気にしないでくれ、私が好きでやってることだから…それじゃ、またなイサミ』
「おう、気をつけて帰れよブレイバーン」
もはや別れ際で必ずするようになったキスも慣れたもので名残惜しくも別れた。
…ー…俺もいつか…。
その先のことを考えて顔が熱くなる。
冷ますように顔を扇ぎながら帰ったら隆姉さんに少し心配されたりもしたがなんとか誤魔化して自分の部屋に向かい着替えて晩飯の準備を手伝い、食べ終わればテストに向けて勉強していくのだった。