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    ミルクは後入れ派

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    モクチェズ短文

    聞いたことのない歌が、聞き馴染みのない歌詞で耳を通り抜けていく。
    いつものようにふざけた子守歌を用意すると思っていたチェズレイは、閉じていた瞼を開けた。運転席ではチェズレイが目を開けたことも気づかず、モクマが歌い続けている。
    「それは?」
    「うん?マイカに昔から伝わる民謡だよ。俺も小さいころから聞いてた」
    仮眠を取る際、度々モクマに子守歌という無茶振りを渡し、彼の反応を楽しんでいた。今回もまた、眉間に皺を寄せあれこれと考える姿を見ると思っていたのに、予想だにしていない歌についモクマへと視線が動く。
    「聞き慣れない単語が多いですね」
    「そうだねえ、今じゃもう使わん言葉も多いから。でもわからん言語のがよく眠れることない?」
    子守歌にはぴったりでしょ。モクマは少し照れ臭そうに笑った。確かに、様々な言語を知りえるチェズレイにとっても、島国に存在する小さな里で使われていた言葉は、異国の言葉に思える。それに加えてモクマの低い歌声。子供を寝かしつけるような優しい声色は、不思議と心を穏やかにさせた。
    「モクマさん」
    「ん?」
    「そのまま続けて下さい」
    「はいはい」
    一つ咳払いをして、彼はまた歌いはじめる。静かに鼓膜を震わせる低い歌声、自分の為だけに聞かせてくれる歌声はひどく心地よい。歌うモクマの姿を見ながら、チェズレイは再び目を閉じた。
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