付き合ってない蔵種とモブ(中2)水族館に到着すると、白星が自分の入館料は自分で払うと言い出した。正直出してもらえるなら助かるから、自分で払ってもらった。白星、いい奴だ。
館内ではまず、水槽のトンネルをくぐってから、最上階へと向かう。ここに来るのは久し振りだったけど、やっぱりトンネルはテンションが上がる。白星も楽しそうだ。
俺は刺し身が好きだから(焼き魚とかは、骨が嫌いだ)、魚を見るのは結構楽しい。でも白星と一緒に居ると、魚じゃなくてこっちをチラチラと見てくる奴が、たまに居る。まぁこんな美形が歩いているんだから、二度見したくなる気持ちは分からんでもない。
「にしても、俺の顔までジロジロ見ることはねぇだろ」
「はい?」
何度目かの、不躾な視線の後。愚痴る俺をよそに、平然とした顔の白星。きっと白星は、こんな視線には慣れているんだろう。
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