一級フラグ建築士②錦山優子、一輝
②
17歳になった神田は周囲が不審に思うくらい変わっていた。
具体的に言うと、喧嘩をさっぱりしなくなった。おまけにきちんと学校に行くようになり、以前にも増して身をいれてバイトもこなしていた。
それにはもちろん理由がある。喧嘩で世話になった警官から説教されたことも少なからず影響しているが、大半は下心からくるものだった。
その下心の哀れな対象はクラスメイトの錦山優子という、それはもう天女かと見まごうくらい可愛い女子であった。
その子にアピールすべく、神田は粗暴な男から硬派な男へと変わろうとしていた。
だが、しかし。
身だしなみを整え、学業に励んで成績を上げ、掃除をサボらず、先生の手伝いを自ら買って出るなどいくら頑張っても悲しいかな。教師からの好感度が上がるばかりで、一向に意中の女子には全く響いていない様子だった。
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