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    運命は戦士に囁いた「あなたは嵐には逆らえない」と。 戦士は囁き返した「私が嵐だ」と。


    なんぼか出来たらpixivに上げる予定

    最近、悪役令嬢や継母、物語中盤で死ぬ小悪党キャラに成り代わる漫画を読んで面白いなぁ…と思ったところ、いるじゃん龍が如くに丁度いいキャラが!となって思い付いた話です。
    今回は小さい頃から始まっていますが、大人になってからのも考え中。
    目指せ!5000文字以内、戦闘描写

    #龍が如く
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    #神田強
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    一級フラグ建築士①伊達真、柄本医師


    伊達真はバーのカウンターで写真を数枚広げ、桐生に情報を提供していた。

    「伊達さん、この男はどんな奴なんだ?」

    桐生が指差した先には、スキンヘッドの男が写っていた。この男は伊達にとって昔から知っている存在だ。
    伊達は交番勤務していた若い頃まで記憶を張り巡らせ、神田の半生を思い出していた。




    神田は物心ついた頃から嵐の中にいた。
    辺り一面に響く怒号と暴力、飛び交う食器や酒瓶、そして家具。
    神田少年は体を丸め、じっとその場を耐えながら荒れくるう大人たちを見つめていた。

    幼い頃は女の人が暴れる男から庇ってくれていたため、何も被害はなかった。
    しかし小学校に上がって5年経つとその人もいなくなり、男の暴力の標的は神田少年へ向いた。
    神田少年は恐怖心よりも冷めた気持ちで、その男を見据える。
    その様を見た男は生意気な態度だと横から殴りかかった。少年は事も無げにすっと頭を下げた。
    あっという間の出来事で男は一瞬、何が起こったのか分からず止まった。が、ようやく避けられたと知り怒りに震え、男は更なる一撃を繰り出した。
    それを少年は、ボクシングで攻撃をかわすように体をUの字に動かしながら避けた。
    何度も避けられて怒りが頂点に達した男は、近くにあった酒瓶を持ち、勢いよく近づいて行く。
    しかし、男は床に散らばっていたチラシやゴミで足をとられ、もんどり打った。

    ーー…あほくさ
    男は腰や背中を強打し、その上、転倒した先にあった棚の角に頭をぶつけたものだから痛みに悶絶している。それを見て拍子抜けした神田少年は、鼻をほじりながらシラケていた。

    このようなーーどこか、いまいち緊迫感のないーー攻防があと3回ほど続いた。3回目にしてようやく男は目の前の子供を薄気味悪く感じ、そして次第に相手にしなくなった。



    神田が中学生になった頃、手当たり次第に気にくわない人間ーーとくに一般人に絡んでいる不良やチンピラなどーーは自ら喧嘩を売りにいき、すっかり不良の仲間入りを果たしていた。

    この日もいつものごとく喧嘩をしていたが、相手がまずかった。ただのチンピラかと思っていた人間は、三次団体の組の構成員だったのだ。
    数人の大人に囲まれてピンチの状態だが、神田は逸る鼓動とは反対に冷静に状況を分析していた。
    時々、戦闘時において自分を俯瞰で見るようなーー例えば一人称視点でゲームをしているかのようなーー、そんな不思議な感覚になることがある。

    ーー3人か…やれるか?
    にじり寄ってくる大人に神田はフッと笑って挑発した。

    「なんや、ガキ一人に寄ってたかって。そないに俺が怖いんか?」
    「なんだと?!」
    「……情けないのぉ。しかも俺は素手やで?」
    「馬鹿にしやがって!!」

    神田は挑発するように笑いながら両手をブラブラと振る。なにもただ傲慢で馬鹿にした訳ではない。相手を煽るのには、二つ理由がある。一つは冷静さを失わせて判断力を鈍らせ、かつ攻撃動作を雑にさせるため、二つはタイマンで勝負を仕掛けるためだ。

    二つ目は上手くいけばいいと思っていたら、案外素直に敵は聞き入れたようだ。目の前にいた男から殴りかかってきた。
    避けることなく神田も相手に向かって行く。そして少し屈んで拳を素早く上方へ振り上げた。
    敵の拳が振り下ろされる前に、神田の一撃は敵の喉元を突いた。
    急所に当てられた敵は、ぐえっと首を絞められたアヒルのような声を出して倒れた。

    次に攻撃してきた敵は素手で行くには不利と察知し、木刀を振りかざしてきた。
    神田は敵の懐に入り、勢いよく掌を突き上げ相手のみぞおちに衝撃を放つ。それはいわゆる掌底というものだった。
    敵はあまりの痛みに唸りながら腹を抱える。
    神田はさらに追撃すべく、痛さに悶絶し前屈みになった敵の後頭部に手を置き、膝蹴りをする。
    顔面いっぱいに攻撃をくらった敵は口や鼻から血を吹き出し動かなくなった。

    残った敵が、神田の戦う姿を見て明らかに動揺していた。あろうことか、喚きながら震える手で銃口をこちらに向けてきた。

    「くそっバケモンが!!なめんじゃねぇぞ!!!」

    それを見た神田の鼓動はドクドクと跳ねるように脈打ち、体は熱くなっていた。怯えからくるものではなく明らかに戦闘による興奮によるものである。だが、思考の片隅は冷静だった。
    それは武術の達人が極めた境地に似たものであったが、元来の残酷な一面が顔を覗いた瞬間だった。
    あぁん?とドスのきいた声が神田の口から出る。

    「アンタ、覚悟してソイツ使うんやろな?…震えて、そんなん当たるもんも当たらんで!!」
    「う、うるせぇ!!」



    公園で銃声が聞こえた、喧嘩している人達がいる等と通報受けた伊達は駆けつけた。そして繰り広げられた光景を見てゾッとした。
    そこには数人の男が倒れており、一人の男が静かに立っていた。伊達が近づいた気配に気づいたのか立っていた男がチラリと向いた目は瞳孔が開き、静かにふーふーっと呼吸をしていたが纏っていた空気はビリビリしていた。

    間合いに不用意に近づいたら、倒れている男たちと同じ運命を辿るかもしれないと伊達は思った。少し遠巻きに声をかける。

    「大丈夫か?今の騒ぎでここの近所の人達が不安になってるぞ」

    「……………誰や」

    「俺は伊達という。……警察官だ」

    「…俺、捕まる?」

    そのシンプルな問いに伊達は周りを見渡す。倒れている男達の近くには拳銃が捨てられていた。身なりからしても堅気ではないのが一目瞭然だった。

    「逮捕するも何も、まずは君の話を聞いてみないと」

    その前に手当てが必要だ、とどこかに伊達は連絡したかと思ったら、今度は強引に連れられてやってきたのはこじんまりとした病院だった。入り口の看板には柄本医院と書いてある。

    優しそうでありながら、雰囲気のある柄本医師直々に治療を受けた。
    「なんか、どっかで見たことあるな。名前は?」

    「は?……………神田強」

    「そうか…ここの病院はどんな人間でも治療出来るようなとこなんだが、それ故に色んな噂や話を聞くことが多くてな」

    「ほぉか」

    対して神田は興味なさげに相づちを打つ。本当は全て無視していたかったが、強引だったとはいえ治療して貰っている身でだんまりを決め込むとは出来なかった。

    「きみ、神田強といったね。風間組の組長に目をつけられてるから気をつけたほうがいいぞ」

    「そんなもん、どーでもいいわ」

    「今日、喧嘩で伸した奴らは風間組の傘下のやくざもんだぞ。喧嘩売るなら相手選ばないと」

    「それはこっちの台詞じゃ。あの雑魚ども、堅気に手ぇ出してとったんやで?俺にはチャカまで使(つこ)てきたしな」

    「すごいな、それなのに君には銃の傷一つない…」

    「ふん、震えてる銃なんか当たるかいな。風間組だかなんだか知らんけど、そこのクミチョーサンも大変やな。あないな三下従えとるなんて」

    治療を終えた頃に、伊達がまたやってきて親に連絡するといってきた。

    「家に誰もおらんよ」

    ろくでもない仕事してるのか、それとも酒に弱いだけで夜勤がある仕事はきちんとしているのか。大抵、夜にはいない。
    金は稼いでいるようだったが大半は酒代に消えて行くため、生活費や学校に通うため神田はバイトしていた。
    その事情を話すと、神田以外にも似た境遇の人間がいるのか慣れた対応で、そうか、とあっさり引き下がったのだった。

    今回は逮捕されずお咎めなしとなったが、厳重に注意された。
    そして遅くまで開いていたラーメン屋で伊達の奢りで、しょうゆラーメンと餃子とチャーハンをたらふく食べて家に帰されたのであった。


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    最近、悪役令嬢や継母、物語中盤で死ぬ小悪党キャラに成り代わる漫画を読んで面白いなぁ…と思ったところ、いるじゃん龍が如くに丁度いいキャラが!となって思い付いた話です。
    今回は小さい頃から始まっていますが、大人になってからのも考え中。
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    伊達真はバーのカウンターで写真を数枚広げ、桐生に情報を提供していた。

    「伊達さん、この男はどんな奴なんだ?」

    桐生が指差した先には、スキンヘッドの男が写っていた。この男は伊達にとって昔から知っている存在だ。
    伊達は交番勤務していた若い頃まで記憶を張り巡らせ、神田の半生を思い出していた。




    神田は物心ついた頃から嵐の中にいた。
    辺り一面に響く怒号と暴力、飛び交う食器や酒瓶、そして家具。
    神田少年は体を丸め、じっとその場を耐えながら荒れくるう大人たちを見つめていた。

    幼い頃は女の人が暴れる男から庇ってくれていたため、何も被害はなかった。
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    伊達真はバーのカウンターで写真を数枚広げ、桐生に情報を提供していた。

    「伊達さん、この男はどんな奴なんだ?」

    桐生が指差した先には、スキンヘッドの男が写っていた。この男は伊達にとって昔から知っている存在だ。
    伊達は交番勤務していた若い頃まで記憶を張り巡らせ、神田の半生を思い出していた。




    神田は物心ついた頃から嵐の中にいた。
    辺り一面に響く怒号と暴力、飛び交う食器や酒瓶、そして家具。
    神田少年は体を丸め、じっとその場を耐えながら荒れくるう大人たちを見つめていた。

    幼い頃は女の人が暴れる男から庇ってくれていたため、何も被害はなかった。
    しかし小学校に上がって5年経つとその人もいなくなり、男の暴力の標的は神田少年へ向いた。
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