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    ⚠️腐向け、キャラクターの記憶がなくなります、数孫

    僕はまた君に恋をする’記憶、というのは儚いものでこの間まで二人きりでデートをしたり仲良く話していた愛おしい彼の記憶からある日突然僕だけがすっぽりと抜けてしまっていた。

    「三反田数馬先輩!」
    ドタドタと音を立てながら三年は組の教室に駆け込んできたのは一年は組の猪名寺乱太郎だった。
    「乱太郎!廊下は走っちゃダメだよ。」
    乱太郎が息を切らしながら走ってきた意味もわからぬ僕は呑気に乱太郎に注意をした。
    乱太郎は『すみません!で、誰ですか?』ときいてきた。
    「三反田数馬だよ!先輩のことを忘れるなんてひどいなぁもぅ」
    といつものやり取りをしていると、彼が『えへへ、すみません。って!そんなことはどうでもいいんですよ!』と言ってきたのでそんなことって…と思いながら真剣な顔に戻った彼の顔を見た。
    「三反田先輩、落ち着いて、保健室へ来てください。善法寺伊作保健委員会委員長が呼んでます。」
    これは大変な怪我や病気の生徒が出てしまったのかと『藤内、僕行ってくるね。』とだけのこし急いで保健室へ向かった。


    保健室に着き、一度深呼吸をして保健室の襖を開ける。
    「……孫兵!」
    襖を開けた先には今朝まで元気そうに笑っていた愛おしい恋人の自分の姿があった。
    「数馬。声がでかいよ。落ち着いて。」
    驚く僕を落ち着いた声で宥めながら下級生たちに的確に指示を出す善法寺伊作先輩を見て自分もしっかりしないとと思い伊作先輩に何をすればいいか指示を貰いに近くに寄った。
    「数馬はこの手ぬぐいを濡らして桶に水ためて持ってきて。」
    普段は不運大魔王と呼ばれ傷だらけの先輩だがこういう時とても頼りになる。
    「分かりました。」
    僕は先輩から桶を受け取り走って井戸へ向かった。

    井戸につき急いで水を汲み急いで保健室へ戻る。1ヶ月に何度かあるこの作業も自分の恋人となると焦りが違うもので早くしないと。早く戻らないとという焦りが生じてしまい桶の水をこぼしそうになってしまった。だがそんなことはどうでも良くて早く戻って倒れている彼の看病をしたく走って保健室へ戻った。

    「伊作先輩!水持ってきました!」
    襖を開けるとそこには目を覚まし水を飲みながらこちらを見る孫兵の姿があった。
    「孫兵…!」
    いつもなら僕が名前を呼ぶと綺麗な顔で微笑んでくれる彼がとても嫌厭そうな顔でこちらを見ていた。
    「君は…誰だい?」
    「「え…」」
    保健室にいる全員の口から一瞬言葉が消えた。
    「…記憶喪失…ですかね。」
    保険医の新野先生から出た言葉に僕は驚きを隠せなかった。
    「伊賀崎孫兵君、僕の名前、わかりますか?」
    「えっと、保険医の新野先生ですよね?」
    孫兵は何を言っているんですか?という顔で新野先生を見ていた。
    「では次にこの先輩は誰だか分かりますか?」
    「?善法寺伊作先輩の事ですか…?」
    これもまた不思議そうな顔をしながら名を答える。新野先生と伊作先輩は何かを察したように深刻な顔になり僕を飛ばして一年は組の乱太郎、一年ろ組の鶴町伏木蔵のことも聞いた。彼は何気なく答えていた。
    「じゃあ、伊賀崎くん、最後にこの生徒は覚えていますか?」
    新野先生が最後に指を刺したのは僕だった。孫兵は新野先生の指の先を見て少し嫌そうな表情をした。
    「ごめんなさい。分かりません。…でも、なぜか彼のことを見ていると無性に、腹が立ってくるんです。顔も見たくない…。」
    彼の口から出た思いもよらない言葉に気を失いそうになってしまった。フラ〜っと体の力が抜けていくのがわかった。
    「数馬…だいじょう…」
    「新野先生!治療法は、治療法はないんですか!」
    僕は必死になり倒れかけた体に力を入れ大きな声を出してしまった。
    伊作先輩が声をかけてくれているにも関わらず遮ってしまうほど焦っていたのだろう。
    「あ、先輩ごめんなさい…」
    先輩に一言謝りもう一度新野先生を見る。
    「三反田くん…心配をする気持ちはよくわかる。でも保健室で大声は出さないように。で、治療法ですが、今は分からないんです。」
    僕達も頑張って探すからと汗をかきながら伝えてくれた。
    「…分かりました。ありがとうございます…。」


    僕は先生に先に部屋へ戻っていいと言われ部屋へ戻ってきた。
    「「数馬!」」
    部屋の襖を開けると僕と孫兵以外の同級生が集まっていた。襖が空いた途端3年ろ組の決断力のある方向音痴、神崎左門が僕に飛びついた。
    「数馬!孫兵は、孫兵は大丈夫なのか?!」
    「左門…。」
    ふと周りを見ると飛びついては来ないものの他のみんなも心配だったようで不安そうな顔をこちらに向けていた。
    「みんな…。孫兵は…」
    その場にいる全員が息を飲んだ。
    「無事だよ。」
    全体にほっとしたような空気が流れた。
    「無事か…。よかった、ほんと良かった」
    作兵衛が安心したように言葉を漏らすと左門が不思議そうに顔をのぞきこんできた。
    「数馬?どうしたんだ?なんだか…泣きそうな顔しているぞ。」
    気を使うようにおそるおそる聞いてきた。そんなに顔に出ていたか。僕はハッとして「大丈夫だよ。」と安心させるように自分に出来る精一杯の笑顔で言った。
    「…数馬。」
    突然同室である藤内に抱きしめられた。
    「藤内…どうし…「笑えてないよ。どうしたの?」…」
    僕よりも少し身長の高い藤内の髪を避けて周りを見ると『そうだぞー』と三之助が言ってきた。
    「ははは、ごめんね。やっぱり君たちには隠し事は出来ないね。実はね…」
    4人に先程保健室で起きたことを話した。
    左門と三之助の縄をしっかりと掴みながら涙を流し『そうかそうか。辛かったなぁ』と作兵衛が言った。そんな作兵衛を見てか他のみんなはいくらか落ち着いているように見えた。
    「作兵衛落ち着け。きっと今1番泣きたいのは数馬だ。」
    三之助は作兵衛の背中を擦りながら落ち着かせる。
    「うん、ありがとう作兵衛。ごめんねみんな。今日は僕もう寝るね。おやすみ…」
    部屋の隅に布団を敷いて布団を被った。後ろでは『明日孫兵の様子見に行こう。』と言ったことや『数馬大丈夫かな』などと言っているのが聞こえる。
    「もう夜も遅いしみんなでここで話してると数馬もゆっくり出来ないし。ほらほら部屋戻って。」
    しっしと3年ろ組のみんなを部屋から追い出し『ほら、みんな出ていったよ。』と藤内に声をかけられ我慢が出来なくなり嗚咽を漏らしながら涙を流した。
    「うっ…うぅ、、とーない、ぼくっ、ぼく、、どうしよ、まごへいにっ、、」
    「うん、うん、もういいから、落ち着いて。」
    「とー、ない…う、ん、、、」
    藤内にポンポンと叩かれる温かい手に安心して僕は眠ってしまった。


    日が変わって目が覚めるともう日は上がっていて隣で寝ていたはずの藤内はもう既に姿はなくもう既に授業は始まっているのだと急いで着替えてバタバタと準備をした。

    「遅れてすみません!」
    急いで扉を開けると教室には誰もいなくてあれ、とキョロキョロと周りを見ると今日は休みだったらしく私服を着ている生徒ばかりだった。
    「お、数馬起きた。おはよ。」
    僕に声をかけたのは保健室の桶を持った藤内だった。
    「藤内!なんでその桶。もしかして僕の代わりに医務室いてくれたの?!」
    「いやー、ちょっと孫兵の様子が気になっちゃって…。手伝うからそばにいさせてもらってるんだよね。じゃあ僕は水汲みに行ってくるね」
    少し申し訳なさそうな顔をしながら藤内はふいと後ろを向き
    「あ!そういえば君が起きたら伝えてって言われてたんだけど、新野先生がなにかお話あるそうだよ!…無理しないでね。」
    伝えることだけ告げて駆け足で井戸へ向かった。

    「おはようございます。ごめんなさい寝坊しちゃって」
    「あ、三反田くんおはようございます。ちょっと話があるんです。ちょっとこちらへ」
    すっと襖を開けると寝ている孫兵の隣に座る新野先生と目が合いちょいちょいと手招きをされた『はい』と返事をし急いで新野先生の後を着いていく。

    パタンと医務室の襖を閉じ先生は真面目な顔をこちらへ向けてきた。
    「三反田くん、君は伊賀崎くんとどんな関係ですか?」
    「へ…?」
    突然の質問に気の抜けた返事を返してしまった。
    「今貴族の間で流行っている病のひとつに忘愛症候群というものがありまして。もしかしたらと思いまして」
    先生が言うに忘愛症候群とは慕っている相手を愛するあまり相手の記憶がなくなってしまい相手のことを拒絶するようになってしまうらしい。
    治療方法はいまだ解明されていない。
    貴族の中には本当に愛している人と結ばれることが出来ないという人が多くいる。そのため慕っている相手の記憶を無くし嫌ってしまえば楽になるという考えから生まれた病だと言う。
    その現状は知ってはいたがまさか自分の恋人がそうなるとは思っていなくとても混乱している。
    「孫兵が忘愛症候群…。なんで孫兵が…。えっと、先生…」
    「やはり…。そうなのですね。安心してください三反田くん。誰にも言いませんから。」
    やっぱり先生は優しい人だ。否定をせず認めてくれる。
    「ありがとうございます…。治療方法はまだわかっていないんですよね…。」
    誰かに忘れられることには慣れている。そのはずなのだが何故か無性に寂しくなり悲しくなった。まさか最愛の恋人に忘れられるだなんて。それだけでなく嫌われるなんて…。
    「カヒュッ、カハッ、ヒュッ、、ヒュッ、、、や、、だ、、ヒュッ、、ヒュー、ゴホッ、、、まご、、ヒュッ、へっ、、」
    気づくと僕は上手く息が出来なくなっておりひゅーひゅーと音のなる息をしていた。
    「三反田くん!」
    座り込んでなかなか整わない息に苦しくなり胸元の服をクシャリと握りしめる僕の背中をゆっくりと落ち着かせるように先生が摩ってくれているがなかなか息が整わない。クラクラする。目の前がぼやけ始めた。ふっと意識を失いかけた時誰かに受け止められた感覚がした。
    「…まご、へ、、い、、」

    「かずま!!」
    目の前で倒れそうになっているから思わず飛び出してしまった。嫌いなはずの相手なのに体が勝手に動いてしまった。体が彼のことを忘れてはいけないのだと言っているようだった。だが彼の姿、顔を見るとどうしても苛立ちが募る。
    「伊賀崎くん…?」
    新野先生は驚いた顔をこちらに向けていた。
    「あ、えっと急にごめんなさい。この後はよろしくお願いします。」
    胸元にポスリと収まっている彼を新野先生に預け僕は愛しのペットたちの元へ戻った。

    「ジュンコ…。僕どうしちゃったんだろう…。」
    いつも一緒にいる蛇のジュンコに語りかける。嫌いなはずの彼が倒れそうになった時体が勝手に走り出し腕を伸ばしキャッチしていた。名前を呼んでいた。彼が危ない状態になっているのを見ていられなかった。
    「あの人のこと嫌いなはずなのに…。」
    頭から離れなくて彼のことを考える度動悸が激しくなる。なぜなのか。
    どうやら僕は彼についての記憶を一切無くしているらしい。記憶はなくとも感情からくる彼を見た時の頬の火照りや激しい動悸とでも言うのだろうか。あの時僕を呼んだ彼の声が耳から離れない。彼のことが嫌いで仕方ないはずなのに。とても鬱陶しい。考えていても仕方がない。僕はよし、と気持ちを切り替えてペットたちの世話に専念した。

    「…んっ、、ここは…僕!…っーいった…」
    目を覚ますと保健室の布団で横になっていた。どうやらあの後意識をうしなってしまったらしい。
    「あ!数馬先輩!起きたんですね!」
    「乱太郎!よそ見したら!あっ!………ったぁ…」
    僕が目を覚ましたことに気づいた乱太郎が踏み台に乗ったままこちらを振り向き落ちかけた。考えるより先に体が動いていて乱太郎を受け止めた。
    「数馬先輩?!わわわごめんなさい!大丈夫ですか?!」
    咄嗟に僕が乱太郎のことを受け止めたことで乱太郎には怪我はなかったみたいだ。よかった。
    「大丈夫だよ。ってて…。乱太郎はどこも怪我してないね。よかった。もー、危ないんだからよそ見は絶対しちゃダメだよ。気をつけてね。よし、もう僕は大丈夫だから、部屋戻るね。ありがとう。」
    乱太郎をおろし注意をして保健室を後にした。後ろからは『数馬先輩!怪我が…』などと聞こえるが聞こえないフリをして部屋に戻った。

    「た、ただいま。」
    恐る恐る自室の扉を開くと腕を組んで仁王立ちをする藤内が扉の前に立っていた。
    「かー、ずー、まー!無理するなって言ったよね?!倒れるまで無理しやがって!どれだけ心配したか!」
    「ひょ、ひょーにゃひいひゃい」
    藤内は部屋に引っ張り込むなりぐいっと僕のほっぺたを引っ張られた。
    「もー、ばかなの?!ねぇ!」
    「ばかって…。酷いなぁ…。ってて。もー急にほっぺたひっぱらないでよっ…」
    ぱっと手を離されてジンジンと痛む頬を擦りながら文句を言った。
    「酷くない!これだけで済んでるんだからいいと思え!」
    プンプンとほっぺたをふくらませながら怒ってくる藤内をどう宥めようかと考えながらごめんごめんと返した。
    「次からは気をつけるから。ね?」
    彼を下から覗き込むと納得しないというような顔をしていたが呆れたようにため息をつきながら床に座った。僕もつられて床に座る。少しの間沈黙が流れる。先に口を開いたのは藤内だった。
    「…数馬はさ孫兵が君のことを忘れてしまっていても孫兵の事が好きなの?」
    呆れた様な顔からぱっと真剣な顔になり聞いてきた。
    「…わからない。」
    確かに僕はまだ孫兵のことが好きだ。でもそれが記憶をなくしてしまった孫兵への気持ちなのかはわからない。
    「今の彼のことが好きなのか過去の彼にまだ恋をしているのか分からないんだ。」
    頭を抱える。ゔ〜んゔ〜んとたくさん考えるが答えが出てこない。
    「まぁそんなに考えてもまた数馬に倒れられても困るしな。」
    考え込む僕の眉間をコツンと指で付くとニコリと笑って委員会へ向かった。僕は伊作先輩に休みを頂いているので裏裏山まで散歩に行こうと決めた。

    「たまには1人で散歩もいいなぁ」
    などと独り言を言いながら山を散歩していると少し開けたところに出た。
    「わぁ…こんな所あったんだ…!今度孫兵にも…って、、もう…」
    この景色をあの倉庫の時のようにまた彼とみたいなどと考えながらぼうとキラキラと輝く海を見つめていた。
    何分ほど経っただろうか。少し日が落ちてきて肌寒い海風が吹いてきた。さぁそろそろ帰ろうと思い踵を返す。正面の茂みの奥から「おぉーいどこいったんだよ〜」と聞きなれた弱々しい声が聞こえたがさがさと茂みを分けて少し開けたところに出るとそこには涙目になりながらおそらくペットのジュンコを探しているであろう孫兵が居た。
    「ジュンコ〜。どこいったんだよ〜」
    もうすぐ泣きそうというような顔をしながら懸命に探しているのを見兼ね思い切って声をかけた。
    「孫兵、大丈夫?僕も一緒に探すよ。」
    急に声をかけられ驚いたのか孫兵は目を大きく開きこちらを見てきた
    「あ、えっとか、数馬。でも申し訳ないし…」
    少し下を向いてしまった孫兵はまた泣きそうな声を出しながら胸元をくしゃりと握る。
    「あぁもう手伝うって…。だからそんな顔するなよ。」
    下を向く孫兵の頬を手で挟み少々乱暴に目を合わせる。涙でうるうると濡れた瞳が宝石のように綺麗でずっと見ていたいと思った。
    「へ…ちょ、ちょっと何するんだよ数馬!やめてよ…。」
    孫兵と僕はほんの数秒間見つめあっていた。数秒後孫兵は少し嫌そうな顔をしているように見えたのでジュンコ探さないとねと二手に分かれて捜索を始めたジュンコージュンコーと2人の声が山奥に響いた。日が傾いてきてどこを探しても見当たらずもういいよ。ごめんねと落ち込んだまま学園へ戻ろうとしてしまう。
    「ジュンコもきっと孫兵のこと探してるよ。もう少しだけ頑張らない?」
    励ましにもならないだろうがなんの根拠があるのかも分からないがそろそろ見つかると謎の自信が湧いてきて孫兵を引き止めた。彼はまさかというような顔をしたがわかったとまた茂みを探し始めた。ふと前にジュンコがいなくなった時孫兵が言っていたことを思い出した。『蛇は暗くてジメジメしたところによくいるんだよ。』僕のことをまだ忘れていない彼の僕だけに向けられた笑顔を思い出し少し寂しくなる。
    「はっ、いけないいけないジュンコ探さないとだ」
    頬をパンと軽く叩き自分に喝を入れ“ジメジメしたくらい所”を茂みをかき分けながら探していく。大きな気の麓まで来ると見慣れた模様が見えた。
    「ジュンコ!」
    木の麓でくるりと丸くなっている見慣れた蛇に呼びかけると知った声が聞こえ安心したのかこちらへ素早く這い寄ってきた。
    「こんな所にいたんだね。ほら、孫兵の所へ帰ろう。彼、すごい心配してたんだ。」
    首に巻き付くジュンコの頭を撫でながら来た道を引き返す。
    「まごへー!ジュンコいたよー!!」
    早く彼を安心させてあげたくて少し小走りになりながら彼の元へ戻った。
    「孫兵!ほら!ジュンコいたよってわぁ!」
    もうすぐで孫兵の所だと言う時に転んでしまった。
    「…ぷっ、、ふふっ、あははっ」
    孫兵は僕の声を聞いてパッと振り向き一瞬安心したような顔をした途端僕が転んだのを見て肩を揺らしながらくすくすと笑っている。
    「そ、そんなにわらうなよぉ…。」
    恥ずかしくて下を向く。
    「くっ、ふふっ、、ごめんごめんあまりに見たことある光景すぎて、、」
    「え?」
    「ん?ほら、手」
    差し出された彼の手に僕は手を乗せるとぐいと引っ張り立たせる。
    「さぁ、帰ろ。」
    少し心を許してくれたのか、笑ってくれている。やっぱり僕はどう転んでも彼のことが好きなのだろう。彼の笑った顔、泣き顔一つ一つに心が動かされる。キラキラして見えた。彼が僕のことを忘れていてもいい。僕はまた彼に恋をしたのだ。
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