新春餅つき大会inオーブ警護も兼ねて有志の軍人も参加。
カガリが挨拶
「国民が腹いっぱい食べて笑顔になることが私にとってのお年玉だ!皆、存分に楽しんでくれ!」
孤児院の子達とキラとラクス、キラの両親も参加。
「キラ、子供たちにお手本見せてあげたら?」
「いや、僕はいいよ」
子どたちラクスにコソコソ
「そうですわね。わたくし、キラのついたお餅を食べみたいですわ」
「ミリィ、僕もやるよ」
「はいはい、ご馳走様」
少し離れたところでカガリを警護しているアスラン
「アイツ……」
「どうした?アスラン」
「いや、なんでもない」
「なんでもないって顔じゃ……、あれ?あれキラか?すごいへっぴり腰だな!」
「……カガリ、ちょっと見に行かないか?」
「アスランお前……」
「なんだ」
「ちょっと過保護すぎるぞ」
「……なんの事だか分からないな」
「キラ」
「アスラン……!」
「代わる。早くついてしまわないと餅になる前に冷めてしまう」
「で、でも」
「やり足りないなら途中でまた交代しよう」
「う、うん。ありがとう、アスラン」
子供たちの補助をするシンルナ
迷子を見つけて周囲に呼び掛けるカガリと飛び上がる周囲
オーブのお雑煮にはハウメアの護り石を模してミニトマトが一個入れられる。
さつまいもとかみかんを一緒についた餅、お雑煮の炊き出し、網で作る焼き餅、味噌焼き餅、餡子やきな粉他、出店も立ち並ぶ。
ラクスの差し入れから生まれたホットタイガー(ホットドッグのソーセージがエビフライ)に飛びつくヒルダ姐さん
餅つきの合間の見廻り中、マーカス君と話すノイマンさん。
「なかなか難しいよ。ただ振り下ろすだけじゃ上手くいかなくて」
「と、言いますと?」
「餅の上に真っ直ぐ振り下ろさなきゃいけないし、だからってずっと真ん中に打ち込んでたらだんだん餅が端に逃げるだろ?だからって周りに打ち込んでも臼を叩いてばかりだと杵の木くずが餅に混ざって大惨事だ。餅をつくリズムも一定じゃないと返しの人の手を打ったりしかねないし、なかなか神経も体力も腕力使うよ」
「……なるほど。筋力、体力、集中力の強化に繋がると言うことですね!?」
「え?あぁ、まぁ、そうとも言えるかな?」
餅つきに向かうマーカスくん。
実は背後でそれを見てたチャンドラさんが茶化す。
甘酒片手に見廻るノイマンさん。
遠目にハインラインさんを見つける。
声をかけるか迷っていると目が合い、ならばと近づく。
「こういったイベントに参加するのは以外です」
「たまにはコミュニケーションに取り組めと追い出されました」
興味なさげなハインラインに乾いた笑みを浮かべる。
「何か食べましたか?」
「”ぞうに”を。代表へ挨拶に向かった折り、食べるようにと要求されまして」
「……美味しくなかったですか?」
「美味しかったが、食べた分は餅をつけと言われて……」
(流石カガリちゃん、容赦ない)
「手の皮が剥けた」
「えっ」
思わず手を掴んで覗き見る。指の付け根が赤くなり、所々皮が剥けている。
見ている途中で手が拳になり隠される。
「……来年は手袋を用意していく」
ハインラインが「リベンジだ」とうっすら楽しげな笑みを浮かべる。
案外遊び心があるんだなと感心するノイマン。
「ところで、その飲み物はなんですか。甘い香りがするが、これは……発酵臭?」
「甘酒です」
「あまざけ」
「ええと、米を発酵させた酒になる前のやつを水で伸ばした。ようなものかと」
「ライスワインの原料か」
「広場の奥で配ってるんで気になるなら、あ、その前に味見してみます?」
甘酒を好きになるハインライン大尉
甘酒を貰いにいくハインラインの背中を眺めつつ、残った甘酒を一気に煽る。
「ふは、」
大きく息を吐き、晴天を仰ぎ見る。
「平和だなぁ」
おわり