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    vr2022_edit

    ヴ二次壁打ち用。序盤はリボ様のよき力だとか対閃光防御で爆笑してたのに、終盤が刺さりすぎて今更沼に落ちた。遊作(プレメ)とAi推し。
    救いを求めて二次とか動画とかを彷徨ってるけど基本終盤の曇ってる二人が好き。

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    vr2022_edit

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    遊作が失踪したAiちゃんと夢で逢う話(最終回再会後想定)
    書きたいトコだけ書いた骨組み状態。所々説明や描写抜けてます
    そのうちちゃんと完成させたいけどいつになるやら

    夢で逢えたら「よお。遊作ちゃん、元気してた~?」



    Aiがソルティスの体を置いて失踪してから一月、そしてこの夢を介した電脳空間での再会は四日ぶりだ。

    「監視カメラで見ていたんだから分かるだろう」
    「あ、やっぱバレてた?んじゃあ言わせて貰うぜ。ちゃんと朝メシ食えよ、遊作ぅ~。せっかく戻った体重減っちゃうだろ!」
    「昼と夜は食べてるし朝食ぬいたくらいで変わらない。そんなに気になるなら、またお前が作ればいいだろう」
    「そうしたいのはやまやまなんだけどさ~。ちょっとまだ帰れそうにないのよ。悪いけど、お昼もしばらく購買のパンで我慢してくれよな。あ、購買といや焼きそばパンが人気だけど、コスパと味的には照り焼きチキンサンドがオススメらしいぜ」
    「どうしてお前の方が購買のメニューに詳しいんだ」

    こうして会うようになったのは、Aiが失踪してすぐの事だ。
    現実とネットでAiを探し廻って疲れ果て、眠り込んだ遊作の夢の中に飄々と長身の青年アバターは現れた。
    『普通のネットだとちょっと色々マズいからさ、お前の夢に介入して電脳空間作ってんの。イグニスとオリジン間のみ可能な盗聴不可の直接通話回線って感じ?いや~リンクセンス様々万歳だね。な・の・で。愛しの相棒に会いたかったら徹夜なんてせずちゃんと夜は寝てくれよ、遊作ちゃん~』
    無論、遊作は問い詰めた。
    無事なのか。一体何があった。何も言わずに消えるな。今、何処に居る。危険な事に巻き込まれているなら俺も力になる。事情を話せ。
    『そんな事より、Aiちゃん、遊作の話が聞きたいなあ~。今日はカフェナギバイトデーだったろ、どう?草薙兄弟とうまくやってる?』
    説明を一切拒みそんな事を言うAIに、よっぽど黙れと切り捨ててやろうかと思ったが、結局は遊作が折れた。
    人をくったような微笑みの中で、その金の瞳があまりにも切実な色を浮かべて遊作の事を見つめていたので。
    そうしてそれ以来、謎の失踪について碌な追及もできず、こうしてAiの望むままに雑談をするだけに留まっている。

    「今日は部活だったろ。デュエル部どうよ?」
    「ダミーデッキをプレイメイカーのデッキタイプから離してそれなりに戦えるよう調整した。バーンデッキに関して財前にアドバイスを貰ったり」
    「ブルエン仕込みのちくちくバーンする遊作かぁ!わ~なにそれ超見た~い!そりゃ次の部活が楽しみだ」
    「あとは、島が、デュエルディスクを最新型にしろとうるさい」
    「……いいぜ、それでも。新型ディスクでデュエル楽しんで来なよ」
    「断ったに決まっている。……単なる愚痴だ」
    「ほんとにいいんだぜ。俺の事気にしなくても。どんな形でも、お前がふつーに青春謳歌して生きててくれたら、俺は嬉しいよ」

    ふわりとAiは微笑んだ。
    遊作の知る限り、普段Aiが浮かべるのは人を揶揄うような企み顔か、無邪気な子供のような笑顔のはずだった。どこか遠くを見るようなこんな儚い笑みは、いつだったかのデュエルの後を思い出させられ、胸をざわめかせる。

    目の前に立つAiのアバターに異常はない。仰々しいマントにスカーフと裾の長いベストという豪奢な装い。瞳が橙色であることを除けば、つい一月前までは隣にあった見慣れた相棒の姿だ。
    だが、リンクセンスのなせる業か、時折ノイズが被さるようにひどく傷つき憔悴したAIの姿がダブって見える。
    そもそもこの邂逅も、最初のころはAi自身が来ていたのに、いつしか瞳が橙色のコピー体になり、そのコピーの訪れさえ日が空くようになっているのだ。



    「俺の方は何も問題ないが、お前こそどうなんだ。……ここに来るのが負担になっているなら」
    「え~っ。せっかくの逢瀬なのにもう来るなって言うの?遊作ちゃんつめた~い」
    Aiは両手で自分の頬はさみ、わざとらしく身をくねらせる。
    眉をひそめ思い切り冷たい視線を浴びせてやると、Aiは怒るなと言うように両手を降参めいてあげ、肩をすくめながら苦笑した。
    「いや、ホント、逆だから。お前と会って、他愛もない事でも話せるとさ、俺まだ頑張れるって思えんの。……お前の睡眠時間、削っちまって悪いなとは思ってんだけど」
    「気にするな。学校でも睡眠は取ってる」
    「気にするわ!それ全然安心できないやつじゃねえか!ほんっとテストの点に胡座描くのよくねえぜ。目立つの嫌でそこそこの順位に抑えてるくせに~そのうちトップ取らなきゃ駄目になっても知らねえぞ~」

    Aiが今、何処で何をしているのか、遊作は知らない。
    『黙って離れてごめんな。でもどうしてもやらなきゃならない事なんだ。ごめんよ』
    『駄目だよ。人間じゃ行けない領域なんだ』
    『お前がくれた名前、汚すようなことはしてないから』
    幾度かの邂逅の中、時折零されたAiの言葉を信じるしかなかった。

    おそらくは。
    どこかのデータ領域で平穏な未来の脅威になりうるものに対処しているのだろうと予想はしている。
    世界にただ一体残った高性能AI、唯一のイグニスだ。Aiにしかできない事なのだろう。
    リンクセンスを駆使してもAiの居場所は突き止められなかった。人間では行けないというのもきっと嘘では無い。
    ただそれでも、こんな風にただ一人でその身を削るような犠牲を強いるために甦らせたのではないと言いたかった。

    「Ai」
    置いていくな。戦うなら俺も連れて行け。一人で何もかも背負うな。俺が信じられないのか。
    相棒だと、対等でお互い信頼して力を与えあう、俺とそういう繋がりを望んだのはお前じゃないのか。

    喉まで出かかったいくつもの言葉を理性で飲み込む。
    遊作の思いも願いも、Aiは承知の上だろう。一度は自分と融合する事さえ望んだあの寂しがり屋が、それでなお一人で行く選択をしたのだ。
    そうしておそらく追い詰められ厳しい状況の中で、リソースを割いてまで遊作に会いに来ている。
    その貴重な時間を、Aiを困らせる要望を突きつけてただ消耗させるだけに費やすわけにはいかない。
    何処かで孤独に戦っている相棒に、届けたいのは責める言葉じゃない。

    「なに?」
    「先日、リンクヴレインズでのレギュレーションが更新されたのは把握してるか」
    「ああうん、知ってるけどそれがどうかした?」
    「それに合わせて新しくデッキを組んだんだ。プレイメイカーとしての。だから、帰ってきたらデッキ調整につきあえ」
    突然の申し出に、Aiは目を見開き、数度瞬きをした。
    「お前に、一番最初に見て欲しい。相棒だからな」


    「もっちろんだぜ!じゃあ俺もデッキ組み直さないとな!」

    「へへ。帰った時の楽しみが増えちまった」

    無邪気な子供のような

    「じゃ、俺、そろそろ本体に戻んないと」
    「Ai。本当に大丈夫なのか」
    「ああ。心配すんなって。遊作の顔見たら元気出た出た!デッキの調整絶対付き合うから、他のやつとやっちゃヤダぜ。とくにリボルバー先生とかに任せたら一生根に持つかんな!」
    「なら早く帰って来い。あまり遅いと保証できないぞ」
    「う~……。善処しま~っす」
     痛いところを突かれたといった顔でおどけた敬礼をする。

    「無理はするなよ、Ai」
    「うん……じゃあな、遊作。おやすみ」
    言って後ろ向きに数歩下がり、手をヒラヒラと振る。
    それを合図にするように転移のエフェクトがかかり、Aiの姿が薄れていく。

    「   」
    消える間際にAiが何事か呟いた。それに返事を返した瞬間、視界が闇に沈む。
    ログアウトだ。







    嘘をついてしまったな。と、薄れる意識の中、遊作はぼんやり思う。

    本当はデッキを組み直してなどいなかった。
    ただ、Aiを元気づけたくて、何か喜ぶような事を言ってやりたくて。
    そして、再会の約束が欲しくて、とっさについた嘘だった。
    覗き見が日常茶飯事のAIには、デッキに手を加えていない事など見透かされていたかもしれない。それでもいい。
    Aiが帰ってくるまでに、デッキを組み上げればいいだけだ。
    嘘が本当になるように、新しいレギュレーションにそった、プレイメイカーとしての最高のデッキを。

     次に目を開く時、自分はあのアパートの一室で、一人孤独に目覚めるのだろう。
     動かないソルティス、沈黙したデュエルディスク。静かすぎて食欲の湧かない食卓。
     少しだけ寂しいけれど、耐えられる。永遠の別れではないと、確かに交わした約束があるのだから。

    『夢での逢瀬ってのも悪くないけど、やっぱ現実で会いたいな』

    消える間際の言葉に、俺もだと返した声が、相棒の耳に届いていて欲しいと願いながら、遊作は意識を手放した。
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