猫と鷹は合わせ柄起きたら、猫と共寝をしていた。
「……」
黒猫だな。
しかし猫ってのは、もっとこう…丸まって寝るもんじゃねえのか?
肝心な事に思い至れず、ぼんやりと傍らですやすやと安心し切った様に四肢を投げ出し眠っている黒猫を見ていた。
(堂々とした寝方してやがる…)
すらりとしているが引き締まった体。
ふわりとした長い尻尾が眠りながらでも時折ぱたぱたと揺れているのが愛らしい。
(夢でも見てんのかねえ…)
黒猫に対してか、はたまた己の現状か。
「……お鷹(よう)」
無意識に情人の名を呼んだ。
「…?みゃ…」
ぴくりと小さな耳が動き、投げ出されていた四肢がぴんと伸ばされる。
みゃあとまた愛らしく鳴いた黒猫が、しなやかな体を起き上がらせて、その琥珀色の瞳をこちらへ向けてきた。
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