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    遭難者

    MOURNING風呂桶川柳(←違います)をきっかけに‥‥
    四文字の方は成語風を装って店にしてみた(笑)
    「お、はぶりがいいね~姑蘇桶店だね~!」

    「あら~素敵なお兄さん、姑蘇桶店ね~。こんなにたくさん買ってくれて~。」

    「ぃよっ!!姑蘇桶店!!女将~!ここのお客さん酒を五甕追加だよ~!!」


                 ************


    魏無羨、藍思追と買い出し中。


    魏無羨:「さっきから買い物してると『姑蘇桶店』『姑蘇桶店』って、なぁ思追‥‥『姑蘇桶店』ってなんだ?」

    藍思追:「え、魏先輩、知らないんですか?」

    魏無羨:「?」

    藍思追:「最近、巷で流行っている言葉ですよ、思いがけないくらいの量を買ってくれる羽振りのいいお客さんのことを『姑蘇桶店』って言うんです。」

    魏無羨:「それはだいたい予想がついてるんだけど、なんでそれが『姑蘇桶店』なんだ?」

    藍思追:「それは‥‥姑蘇で桶屋さんが儲かっているからですよ。」

    魏無羨:「なんで姑蘇の桶屋が?」

    藍思追:「え、魏先輩‥‥それ本気で言ってます?」

    魏無羨:「ただの桶屋だろ?何がそんなに儲かることがある?」

    藍思追:「‥‥‥魏先輩。姑蘇の桶屋さん‥‥風呂桶屋さんのお得意様は含光君です。」

    魏無羨:「‥‥。 1611

    sgm

    DONE曦澄ワンドロお題「失敗」
    Twitterにあげていたものを微修正版。
    内容は変わりません。
    「なぁ江澄。お前たまに失敗してるよな」
     軽く塩を振って炒った豆を口に放り込みながら向かいに座る魏無羨の言葉に、江澄は片眉を小さく跳ね上げさせた。
    「なんの話だ」
     江澄は山のように積まれた枇杷に手を伸ばした。艶やかな枇杷の尻から皮をむいてかぶりつく。ジワリと口の中に甘味が広がる。
    「いや、澤蕪君の抹額結ぶの」
     話題にしていたからか、ちょうど窓から見える渡り廊下のその先に藍曦臣と藍忘機の姿が見えた。彼らが歩くたびに、長さのある抹額は風に揺れて、ふわりひらりと端を泳がせている。示し合わせたわけでは無いが、魏無羨は藍忘機を。そして江澄は藍曦臣の姿をぼんやりと見つめた。
     江澄が雲夢に帰るのは明日なのをいいことに、朝方まで人の身体を散々弄んでいた男は、背筋を伸ばし、前を向いて穏やかな笑みを湛えて颯爽と歩いている。情欲など知りません、と言ったような聖人面だった。まったくもって腹立たしい。口の中に含んだ枇杷の種をもごもごと存分に咀嚼した後、視線は窓の外に向けたまま懐紙に吐き出す。
     丸い窓枠から二人の姿が見えなくなるまで見送って、江澄は出そうになる欠伸をかみ殺した。ふと魏無羨を見ると、魏無羨も 2744