カーテンコール 本当はあの時やり過ごして、自分だけどうにか助かる算段をつけていた。追われた身とはいえ、中王区にはまだ顔のきく奴らもいる。それがどうしてか、共に戦いそしてまた牢獄に逆戻りだ。今度は四人別々の場所へ。
「は~ほんっと、なんで乗せられちゃったかな。」
また一からやり直しかぁ。看守に取り入って、人間関係を構築して……ここから出るにはしばらく時間がかかりそうだ。
固いベッドの上で染みだらけの天井を眺める。東都でアジトにしていた廃墟の天井よりはまぁマシかもな。
あの時、倒れている俺を助けに来るものはいなかった。飴村に放った言葉の数々はそのまま自分へと向けられた言葉だ。わかりきっていた事、仲間じゃない、利用してただけなんだから。
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