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    あめはゲ

    @ame_hage_814

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    あめはゲ

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    地獄に落ちる、その日まで

    千空ちゃん死ネタのプロットみたいなやつ。
    ただただ暗いです。

    会場から溢れかえるほどの参列者。
    百夜パパが繋いできた仲間たち、千空ちゃんが守ってきた現代の人々。
    今日は朝から雨だったのに、みんな集まってくれてよかったね。
    自らが作り上げてきた科学アイテムやクラフトに囲まれて眠る気分はどんなだろうか。
    きっとここに千空ちゃんが居たら、少しだけ口角を上げて目を細めて笑っているのだろう。
    あーあ、俺に霊感があったらなぁ。もう一度彼の隣でその姿を眺められたかもしれないのに。


    お焼香を終えた羽京ちゃんが隣に座って、徐に口を開く。
    「本当に残念でならないよ。千空がこんなに早く逝ってしまうなんて…」
    「まぁしゃーないでしょ、寿命みたいなもんよ。千空ちゃんは俺たちが寝てる間、3700年間ずっと起きてたわけだしね〜」

    千空ちゃんは脳死だった。
    いくら石化が身体を修復するって言っても、機械と一緒。人間だってずっと動かしていたら、いつかは壊れてしまう。
    3700年以上も働きっぱなしだった千空ちゃんのハイスペック脳ミソは、ミジンコな身体よりも先に寿命が尽きてしまったのだと思う。

    脳の活動が止まった時、千空ちゃんの顔は安らかで、眠っているようで。
    まだ暖かいままの身体から、生命維持装置を外すことなんて俺にはとてもできなかった。
    「非合理すぎんだろ」と悪態をつく呆れ顔が浮かんできたけど…外してしまえば、そんな千空ちゃんの表情さえこの世から消えてしまうような気がした。
    だからその数日後、心臓が止まって、身体が冷たくなっていくのを肌で感じて、改めて現実を受け入れざるを得なくなった。

    ---

    啜り泣く声と暗くて重たい雰囲気。
    「やだなぁ、こんなの千空ちゃん自身も望んでないでしょ。俺、即席追悼マジックショーでも始めちゃおうかな!鳩とか花とか白菜とか、いーっぱい飛ばしてさ。」
    「…ゲン、君はこれからどうするつもりだい…?まさかとは思うけれど…」
    「?あー!安心して羽京ちゃん♪『大愛してる千空ちゃんが居ないなんてゴイスー寂しい!!後を追って今すぐ死んでやる!!』みたいなの、別にするつもりないからね?」
    安堵のため息が漏れるのが聞こえる。全く優しいんだから羽京ちゃんは。

    「千空ちゃんが3700年間やってきたことを、俺もやってみるだけよ。」
    「それって…」
    「長くても5、60年ぽっちで終わるでしょ」


    …そう。
    千空ちゃんのいない真っ暗闇の世界で。
    ただ、時の流れを数え続ける。

    地獄に落ちる、その日まで。
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