放課後デートとまた明日 とある私立学校のとある教室から、まるで少女のようにかわいらしく、美しい少年が出てきた。彼の名前は白鳥藍良。大きな襟、大きなリボン、ゆったりとしたワイドパンツは柔らかなシルエットとウエストの細さを引き立てる。コツコツと上品な靴の音を立てて、白鳥藍良は階段へと向かう。自分も帰るところだったので、なんとなくその後ろ姿を目で追いながら一緒に昇降口まで来てしまった。
外に出ると、鳥の子色のショートヘアと制服の裾が風になびく。そして、どこか踊るように揺れる鞄。何もかも同じものを、自分も身に着けているはずなのに、彼が着ていると全く別のもののように感じる。少しだけ速足になるのを理由もなく追いかけた。
たまたま教室を出るタイミングが一緒だったからこれ幸いと後ろ姿を眺めていたが、帰り道は別方向なのでそろそろこの時間も終わりだ。
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