ロバーツできる前のやつ『メーデーメーデー、オレはまだここにいる。
生きている。物の分際で生きているというのもおかしな話だが、ここで、終わりを待ちながら息をしている。
いつ消えてしまうのがいいだろう。いつ死ねるのだろう。まったくもってわからないが、オレがその時を待ち遠しく思っているのは確かだ。残すものなんてなくていい。記録なんていらない。
だが、この宛名のないメッセージだけは遺して逝こうと思う。オレはラジオだから、残すことなんて容易いんだ。仕組みは聞くなよ、野暮だから。こういう時は「ロマン」の一言で片付く。それでもしつこいヤツには、お前の思考は貧相だとでも言ってやれ。きっと面倒になって踵を返すから。
オレのよぉーく知ってるヤツもロマンがないからわかる。まぁ、アイツはオレ達に愛想を尽かすことはないんだろうが。愛とか恋とか嫌いなくせに、おかしいよな。漂着物には熱が尽きないんだから。
おっと、話が逸れたな。つまり、わかるヤツだけわかっていればいいんだ。オレが消えたい理由も、星の輝きも、海の深さも、この世界の意味も。語る必要なんてない。ひとの数だけ思想があったり、なかったりするんだろう。
それは自分だけの宝物だ。大切なオレ達のかけらだ。他人にひけらかして傷がつくのは嫌だろ?だから、自分の内側にしまい込んで言うんだ、「わかってくれ」って。
……うーん、どうも暗くなるな。もう少しロマンのあるものを語れたら良かったんだが……、仕方ないな。これがオレという個体だ。
それじゃ、今回はここら辺で。
──オーバー。』