戦場に舞う「ランラ~ン! 助けに来たよ」
「呼んでない。帰れ」
「ドイヒ!」
戦場に似つかわしくない程にこやかな笑みを浮かべ、ブンブンと手を振って近付いてくる嶺二を睨み付ける。
だが嶺二はそれを気にもとめず、蘭丸の首に腕を回し肩を組んだ。
「つれないなぁ。折角部下に仕事を押し付けて飛んできたのに」
「嶺二。今直ぐ帰って、てめえはてめえの仕事をしろ」
「ランランのお手伝いをするのも、ぼくちんの大切なお仕事なんだけどな」
「必要ねぇ。ここは、おれ一人で十分だ」
頑なに拒否をする蘭丸に、嶺二がふふっと肩を揺らす。相変わらず素直ではないが、そこがまた可愛いらしかった。
「何が可笑しい」
「……ランランってば、ほ~んと優しいよね」
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