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    wk_tk11

    @wk_tk11

    最近カルナイ嶺二さんに落ちました。
    Xやpixivにお話上げてます

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    wk_tk11

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    カルナイの軍パロ

    書く予定のないお話……ですが、続くかもしれない?

    私的にれいちゃん最強だと嬉しい。

    戦場に舞う「ランラ~ン! 助けに来たよ」
    「呼んでない。帰れ」
    「ドイヒ!」
     戦場に似つかわしくない程にこやかな笑みを浮かべ、ブンブンと手を振って近付いてくる嶺二を睨み付ける。
     だが嶺二はそれを気にもとめず、蘭丸の首に腕を回し肩を組んだ。
    「つれないなぁ。折角部下に仕事を押し付けて飛んできたのに」
    「嶺二。今直ぐ帰って、てめえはてめえの仕事をしろ」
    「ランランのお手伝いをするのも、ぼくちんの大切なお仕事なんだけどな」
    「必要ねぇ。ここは、おれ一人で十分だ」
     頑なに拒否をする蘭丸に、嶺二がふふっと肩を揺らす。相変わらず素直ではないが、そこがまた可愛いらしかった。
    「何が可笑しい」
    「……ランランってば、ほ~んと優しいよね」
    「は?」
    「それって、ぼくを巻き込まない為でしょう?」
     確信を持ったそれに、蘭丸は無言で嶺二を見つめる。無言の応酬。ややあって、蘭丸は諦めたように盛大に息を吐き出した。
     鬱陶しいと嶺二を押し退け、頭をガシガシと掻く。全てを見透かすような瞳に、隠しても無駄だと悟った。
    「……分かってるなら、さっさと帰れ。死ぬぞ」
    「死なないよ、ぼくは」
    「嶺二っ!」
    「あ、後ろ」
    「」
     背後からの殺気に気付いたと同時に、響く銃声。銃口から吐き出される煙を吹き消し、嶺二は銃を収めた。
    「ほら、ね? こんなぼくでも少しは役に立つでしょ?」
    「……どうしても、帰らないつもりかよ」
    「うん」
     当然でしょう? と微笑む嶺ニに咎めるような視線を送っていた蘭丸が、胸元から銃を取り出す。そして、銃口を嶺二へ向けた。
    「動くなよ?」
    「…っ、ちょ、らん……」
     ガウン! と一発の玉が吐き出され、嶺二の背後に迫っていた敵が眉間を撃ち抜かれて崩れ落ちる。
    「これで借りはなしだ」
     銃で肩をトントンと叩きながら、蘭丸は勝ち誇った笑みを浮かべた。
    「あはは、ほんとランランには敵わないよね」
    「いつもおまえの好き勝手にさせて堪るかよ」
    「うん。でも、今回もぼくの勝ち、かな?」
     トン、と蘭丸の肩を突き飛ばす。数瞬の後、蘭丸が今までいた所がガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
     嶺二と蘭丸の間に地割れが起きる。気付けば、嶺二は敵に囲まれていた。
    「 嶺二!」
    「ここはぼくに任せて、ランランは早く皆を助けに行って」
    「は? ふざけるな!」
    「心配しないで、ランラン。ぼくには優秀なスナイパーがついているのを知っているでしょう?」
     蘭丸にウインクしてみせた直後、嶺二の周囲を取り囲んでいた敵が次々と倒れていく。視界の端が一瞬光り、そこから寸分の狂いなく敵だけが撃ち抜かれていた。
     見えぬ脅威に恐れを成したのか、逃げ出していく敵を追い、嶺二はサーベルを引き抜く。
    (チッ、カミュのヤロウか……)
     一切の躊躇なく、嶺二に仇成す者を撃ち抜いていく。沈黙の死神と恐れられる程、優秀なスナイパー。あいつがついているなら、大丈夫だろうと確信が持てた。この上なく不満だが、腕だけは確かだ。
    「おい、嶺二。後で必ず追いついて来い。来なかったら承知しねぇからな」
     覚悟しろよ? と挑発する蘭丸に、嶺二が肩を竦める。
    「ランランを怒らせると怖いからね。……分かった、努力するよ」
     果たせるともしれない約束を交わし、二人は戦場を駆け抜けた。


     目の前に迫った敵を斬りつけ、素早く辺りを見回す。
    (……ざっと、ニ、三十ってところかな?)
     目測で敵の数を測り、嶺二は繰り出される斬撃を体勢を低くする事で躱した。すかさず足払いをして、体勢を崩した敵にサーベルを突き立てる。
     ゆっくりと引き抜いてそれを払えば、赤い滴が地に丸い染みを作った。
    (さてと。次は……っと)
    「」
     周囲に首を巡らせた刹那、ヒュンと空気を切る音が聞こえ、嶺二は咄嗟に頭を左に倒した。脇を掠めた弓矢が髪をひと房持ち去り、パラパラと落ちていく。
     続いて放たれた第二矢は嶺二に届く前に銃弾に弾き落とされ、それを放った敵も既に地に伏していた。相変わらずの腕に感心していると、インカムから冷ややかな声が届く。
    『寿。戦いの最中に余所見するなど、随分と余裕だな』
    「ちょ~っと油断しちゃっただけだもん」
    『その油断が命取りになると、何度も言ったはずだが。そんなに余裕なら、俺の助けは必要なさそうだな』
    「わ~ウソウソ。いる! いります! ミューちゃんの助け、めちゃくちゃ必要だよ」
    『やかましい。大体、貴様は遊びすぎだ』
    「も~。ミューちゃんちょっと黙っていてくれないかな」
     会話の最中も敵は迫り、嶺二は振り下ろされた剣を受け止めた。そしてグッと押し返してガラ空きの腹部に蹴りを叩き込むと、後ろに吹っ飛んだ敵の眉間が撃ち抜かれる。
    「ところで、ミューちゃん? さっきからちょいちょいぼくにも当たりそうなんだけど、もしかしてわざと?」
    『気のせいではないのか?』
    「絶対わざとだよね ぼくちんの珠のようなお肌に傷が付いたら、責任とってくれる?」
    『ハッ』
     冗談で言ってみたものの、耳に響いたのは嘲笑。
    「えっ、もしかして今鼻で笑った?」
    『フン。大体、貴様なら避けることなど容易いだろう』
    「それは買い被りだと思うけどね」
    『いや、貴様はやれば出来る』
     普段、やろうとしないだけで。と余計な一言を付け加えてくるカミュに半眼になる。嶺二の大切な仲間ではあるが、時々自分だけ扱いが雑な気がしていた。
    『二人共。ふざけるのもいい加減にして』
    「アイアイ」
    『……レイジ、ニ時の方向から敵五体。まだまだ元気いっぱいって感じ』
     敵の位置を捕捉した藍から連絡が入り、嶺二はそちらを向く。
    「りょーかい。アイアイもミューちゃんも時間見て移動して。そろそろヤバそうだ」
    『ん。わかった』
    『ああ』
     短い了承と共に、通信が切られる。
    「さてと。そろそろ本気で行かないと、いい加減ランランに怒られちゃうよね」
     遅いと文句を言われる前にと、嶺二は走り出した。
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