Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    めいや

    @meiya_gsonly

    めいやです。吸死ロナドラ小説を書いてます。
    無配のパス限SSや、ツイッターに上げた短めのものを上げていく予定です。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 10

    めいや

    ☆quiet follow

    吸死 ロナドラ 
    ロナルドくんが事務所で喋ってるだけ。
    つきあってるかどうかはご想像にお任せしますが、ラストは結婚してます(多分)

    You are my lucky charms「氏名、住所、電話番号……と、事務所も同じだな。あと……チャームポイント? なんだよこれ」

    「あ? これか? ギルドに出す書類。ハンターの活動状況とか把握しておかなきゃならないからな。毎年書かなきゃいけねぇんだよ。どこでもあるだろ、組合的なヤツ。そんで、最後にアンケートがあったんだけど……」

    「チャームポイント……ねえな。男に可愛いもクソもねえだろが。……セールスポイント? 余計ねえだろ、んなもん。そりゃあ、それ書いて依頼人が来てくれたらいいけど。それこそ看板に偽りありってことになりかねねえだろうが」

    「……顔? 吸血鬼退治するのに顔が意味あるか? ああ、でも兄貴くらい格好良かったら、目当ての依頼人もいたかもしれないなあ……あ“? なんだその顔? 言っとくけどな、兄貴はカッコいいだけじゃねえからな! ハントの腕も超一流で、ルーキーなのに、新横の誰もが知ってるスーパーヒーローだったんだぞ あの頃、レッドバレットといえば、新横みんなの憧れだったんだ……今でもそうだけどさ。兄貴はいつだって、みんなのヒーローなんだよ」

    「……髪の毛? 俺の? 何のはなし? チャームポイント? まだ続いてたのかよ、その話……ただのくすんだ銀髪だろ。ちょっとは珍しいかもしんないけど……目の色? まつ毛? なんか変か? お前はゴリラゴリラって言うけど、人並みにまつ毛くらいはあるわ。あー……そう言えば、前に酔った時に半田にマッチ棒乗っけられたことあったな。片目三本ずつは乗ったっけ。それ以上は笑っちゃって乗せらんなかったけど」

    「筋肉? まあ鍛えてるからな。ちったあ自信はあるぜ? でもそんなのハンターとして当たり前だろ? 力ならサテツの方が強いし、ショットとかの方が小回りは効くし。俺も、もっと鍛えないとな。……つーか、てめぇの飯食うようになってから、筋肉の付きが良くなった気が、する……し、肌ツヤも良くなったって、常連さんにも言われる。そこは……感謝してる。依頼人を不安にさせるのはハンター失格だからな。あと、お前の作るもんは……なんでも美味いし」

    「……なんだよ? なんでちょっと畏怖ニー入ってるんだよ た、たまにはちゃんと言えって、みんなが言うから……え? いつも言ってる? そうだったっけ ……美味い、はいつも言ってるけど……それでいい? いいのかよ、そんなんで……ジョンがいつも言うからさ。つられちまうんだよ。あーんな可愛い顔で『ヌヌシー!』って言われたら、こっちもつい素直にさ……あ、今のナシ! べ、別に俺はいっつもお前の飯メッッッちゃ! 美味い とか思ってねえし」

    「銃の腕前? ……話をいきなり戻すなって。だから、それもハンターとして当然だろうが。みんな得意な獲物があって、その中で俺は銃が得意ってだけなの。……最近はめっきり使わねえしな。でも、まあ……銃なんか使わないで解決できた方がいいだろ。シンプルに暴力の方がラクだし。ホント、下等吸血鬼退治と、ポンチどもをブン殴るのが主流になりつつあるよなあ」

    「ロナ戦……なあ。いつも言ってるけど、確かにファンの人はいてくれるけど……アレ、ほぼほぼフィクションじゃん。お前も読んでるから知ってるだろ。ロナ戦読者が吸血鬼退治の依頼をしてくれても、ガッカリさせるだけじゃねえか? 本の中ではカッコよく吸血鬼退治をする『ロナルド様』がさあ、目の前でマイクロビキニになったり巨大化したりシャークになったりしたら……騙された! もうファンやめる って思うんじゃねえかな……うわっ メビヤツ? どうした?」

    「……メビヤツは俺のこと格好イイって思ってくれるの? そっか……へへ。ありがとな。えっ? ジョンも? マジで……? ありがと! 二人とも、すげぇ嬉しい」

    「…………で、てめぇはなんでそんな顔してるんだよ」

    「……今まではさ、チャームポイントとかセールスポイントとか、全部適当に書いてた。それこそ『体力には自信があります!』とか『どんな依頼も断りません!』とかな。なんか書いて違うって言われるのが怖かったから……実際の俺を見て、ガッカリされるのが怖かったから」

    「……ちゃんと話聞けって!」

    「ガッカリされるのが、失望されるのが怖かった。『ロナルド様』なんて言っても所詮はこんなもん、って絶対言われると思ってた。だから自分の売り文句なんて書けなかった。……でも今は、ちゃんと書ける気がするんだよ」

    『世界一可愛いマジロがお出迎え!』
    『頼りになる門番がいます!』
    『貴方のお悩み、新横で一番の常識魚に相談してみませんか?』

    「……とかな。他にも、ほら」

    『当事務所に来ていただいた方にはもれなく、めちゃくちゃ美味しい紅茶とクッキーをサービスいたします』

    「……とかさ」

    「“うち”のチャームポイントは、そこだろ?」


    ♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


    「氏名、住所、電話番号……事務所は同上」

    「あとは……チャームポイントか。毎年書いてるけど、なんだかなあって毎年思うわ」

    「……わかってるって。新人には売り込みのチャンスだし、新横でハンターやってくなら、なんか一つくらい特徴がないとキツいもんなあ。……でもなあ。五十過ぎのオッさんにチャームポイントって言われてもなあ」

    「せめてセールスポイントって書いてほしい」

    「ん? 顔? お前、毎年言うなソレ。オッさんの顔なんか、もう誰も見ちゃいねえっつの。……確かに年上受けは良くなったか? 昔っからの常連さんもいてくれるしな。でもオッさん捕まえて『かわいい』って言うのは、そろそろ勘弁してくんねえかなあ」

    「もうマッチ棒は乗らねえぞ。多分……一本くらいしか」

    「筋肉も、もう見せかけだからなあ。やっぱり体力は落ちたわ。持久力は若いもんにはかなわん。……銃の腕前は上がった? でも視力は落ちたぞ? ああ、こないだ吸対と連携してハントしたヤツな。アレは下等吸血鬼にしてはデカかったよな。雑魚吸血鬼もいっぱいいたし……ん? カンだよ、あんなもん。気配のする方に撃ちゃ当たるだろ。デカい蚊くらいの的なら、見なくても当たるんだよ。ショットとかもそうだぞ? 俺より『視力下がった!』ってよく嘆いてるけど、雑魚をバカスカ捕まえてたじゃん。実戦なら当たるけど、訓練だとスカるって……笑い話じゃないんだけどな、ホントは」

    「ロナ戦は……今は逆にみんな知ってるから。ほぼほぼフィクションだって。ハンターとしてのセールスポイントにはならねえよ。作家としては、まあ……ずっと読んでくれてる人がいるのはありがたいな。うん……え? 〆切? まだ余裕あっただろ? 単発読み切り……えあっ そんなんあったっけ ウソっっっ」

    「……よし、終わった! これで原稿に取り掛かれ……あ“? そんなのいつも通りだよ。ここ三十年、毎年書いてるのと同じ!」

    「“うち”のチャームポイントは」

    『世界一可愛いマジロがお出迎え!』
    『頼りになる門番がいます!』
    『新横で一番の常識魚に相談してみませんか?』
    『貴方の知らないクソゲーを体験してみませんか』
    『めちゃくちゃ美味しい紅茶とクッキーでリラックスできます』
    『百戦錬磨の退治人と吸血鬼のコンビが、貴方のお悩みを解決いたします』

    【You are my lucky charms】 end
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭😭😭🙏👏👏👏💖💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    15saihasaikou

    DONEピクシブにあげてたのと同じやつです

    夏休みの間だけ田舎に住んでいたロナルド少年が、「病弱な男子に女装をさせて育てる」という人間の風習にあやかり、ネタ半分で女装をしていたドラルク(外見年齢10代前半)に初恋を奪われる話です
    ドラルクは死にやすい上に外見的年齢が育ちにくい体質という設定です
    ロナルド少年が女装をしていたドラルク少年に初恋を奪われる話 ロナルドの初恋は年上の笑顔が可愛い女の子だった。
     ほっそりとした子で、ふわふわのフリルが溢れんばかりについた可愛らしいドレスから頼りない腕や足が見え隠れし、顔色も悪かったが、大きなリボンのついた帽子がその表情のほとんどを隠していた。それでも見える口元はいつも微笑んでいた。

    「ねえ、いつかきっと会いに来てね」

     少女は花のように笑ってロナルドにそう言った。その笑顔にロナルドは撃ち抜かれ、それからずっと、恋に落ちたままでいるのだった。

     ロナルドは小学生低学年くらいの時に埼玉の田舎で過ごしたことがある。遠縁の親戚の家で過ごしたのだが、それがどういった事情だったのかは覚えていない。一時的なものだったし、その親戚もそれから数年のうちに亡くなってしまい、ロナルドはその地との縁を失ったのだった。ともあれロナルドは一時的にその田舎で夏休みを過ごした。
    3914

    チンスキー淀川

    MENU10/30新刊サンプル①です。現パロ軸寄りの金バニ。まだドラルクが出てこない冒頭部です。大丈夫そうでしたらR18サンプルありの②にどうぞ。
    10/30新刊ロナドラ小説「うさぎの添い寝屋さん」サンプル①うさぎの添い寝屋さん
    淀川

    ペン立ての中からボールペンを取り出して、端を人差し指と親指で挟む。目の高さまで持ち上げたボールペンを横にして小刻みに上下に揺らすと、真っ直ぐなボールペンがだんだんウニャウニャと歪んで見えてくる。
    会社に出入りしている保険屋のお姉さんが年金積立のパンフレットとポケットティッシュと一緒に置いていったそのボールペンは側面に保険会社の名前が印字されている以外、取り立てて変わったものじゃない。だいぶ前にもらったものだけど、ほとんど使っていないので芯にはまだたっぷり黒いインクが詰まっている。ゼロ、テン、ゴ、ジェルインク。小さな文字を目でなぞる。多分、日本で一番売れている油性ボールペン。一日に何本くらい売れるんだろうなぁ。一万本、いや、十万本くらいか? ボールペンって使い切る前に無くしたりするしいっぱい売れそう。カチカチと意味もなくペンの頭を数回ノックして、手元の書類には一文字も書かないまま俺はボールペンを元の場所に戻した。ペン立ての隣にある時計は、とっくに定時をまわっている。
    2349