炎天 忘れられない。## 25
沖縄に来て数ヶ月。
それこそはじめは〝あの人〟に〝仕込まれた〟身体が時折じわりと熱を持つ時が有った。
しかし、大切な子供たちの笑顔を見るたび、沖縄の美しい海の青を見るたび自分の身体が、あの人を思う気持ちがとても汚れた物にも感じられ、まるでその熱から逃れるように技と考えないように、意識をしないように努めた。
じりじり
今年の夏は去年より暑い気がする。
肌を焼くような日差しに目を細めてどこまでも青い空を見る。
あの人と繋がる空。あの人ともう一年は会っていない。あの人に変えられた身体も、意識して行われた禁欲に慣れて、すっかり毒が抜けた気がした。あの人への気持ちからも、寂しいと思ってしまう自分からも、身体の鎮火しきれない炎からも逃げる様に会えて連絡をせず、またに掛かってくる電話すら取らなかった。
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