❏設定❏
・普段は彰人が新を攻めている
・新は自分より彰人が受けのほうがいいんじゃないかなと思っている
❏本文❏
新「……っ、ん……あ……は、あ……っ、彰人、くん……っ」
彰人「……っ、な……ん、だよ……」
新:仰向けで寝転んでいる彰人の上に跨り、騎乗位の体勢で彰人とSEXをしている
彰人:快感に顔を歪めながらも、新より優位な立場でいようと歯を食いしばりながら必死に声を抑えている
新「……」
新:彰人の表情を上から観察しながら、何かを考えるように黙り込む
新(……うん、やっぱり。俺が彰人くんに抱かれるんじゃなくて、抱くほうがしっくりくる気がする)
~事後~
新「ねえ、彰人くん……今度……」
彰人「ダメだ」
新「うわ……まだ何も言ってないのに、断わらないでよ」
彰人「どうせ、逆でやってみないかって言うんだろ」
新「うん、正解」
彰人:ニコニコと笑いながら言い放つ新を軽く睨みつけると、溜息をつく
彰人「だから、何度もダメだって言ってんだろ」
新「さっきね、俺が彰人くんをリードしてた時に思ったことがあってさ」
彰人「おい、人の話を……」
新「攻められてる時の彰人くんの反応が、すごく可愛いってね」
彰人「……」
彰人:不本意だと言わんばかりにしかめっ面を浮かべるも、ほんのりと頬を染めながら新を睨みつける
新「もちろん、言ってなかっただけで前から思ってたことだけどね。だからこそ、逆でしてみないかって、何度も彰人くんに提案してたわけだし」
彰人「あのな、何度言われても、ダメなものは……」
新:彰人が言い終わる前に彰人の眼前にスマホを差し出すと、画面に映っている犬の画像を見せる
彰人「……っ!?」
彰人:ビクリと体を震わせると、何事かと目を見開く
新「この間一緒に街を歩いてた時に、横を通り過ぎていった犬に怯えてたよね。必死に隠そうとしてたみたいだけど、俺は気づいてたよ」
彰人「……っ!」
彰人:ぎくりとその場に硬直すると、いたたまれない様子で新から視線をそらす
新「本当は脅しなんて卑怯な真似はしたくないんだけど、こうでもしないと彰人くんは折れてくれそうにないし……何度も断られてるっていうことは、本気で嫌なんだろうけど、もう引き下がってあげられそうにないなって思ってさ」
彰人「……」
新「それとなく、Vivid BAD SQUADの皆に声をかけて、君が犬を怖がってることを知ってるかどうか探ってみたんだけど、どうやら冬弥くん以外は気づいてないようだし……」
彰人「~~っ!」
新「だから、ね? 杏ちゃん達に、バラされたくなかったら……」
~数日後~
新「ねえ、彰人くん……今からSEXをしようって時に、そんなにムスっとしないでよ」
彰人「……」
新:彰人をベッドに押し倒しながらも、拗ねたように視線をあわせようとせず、口も開かない彰人に向かって困ったように微笑む
新「彰人くんが、下手だって言ってるわけじゃないんだよ」
新:優しく諭すように呟きながら、彰人の首筋から胸元に向かって、くすぐるような手つきで撫でていく
彰人「……っ、……」
新「いつも、すっごく気持ちがいいし……相性だっていいと思ってるよ」
彰人「~~っ! だったら……」
新「でも」
新:彰人の言葉を途中で遮る
新「彰人くんの快感に歪む顔が可愛いからさ……こっちも試してみたくなって、当然でしょ?」
新:彰人の胸元をまさぐっていた手で彰人が着ているパーカーをたくし上げると、現れた胸の先端に軽く指を這わせる
彰人「……っ、ん……く、う……っ」
彰人:突然の刺激にビクリと体を震わせると、歯を食いしばって声を我慢する
新「しかも、おっぱいでこんなに感じちゃうしさ……彰人くんに抱かれ慣れてきちゃった俺だって、こんな軽い刺激でそんな反応しないよ?」
彰人「~~っ!」
新「ごめんごめん、意地悪だったね……」
新:羞恥心からか、もしくはプライドを傷つけられたせいか、目尻に涙を浮かべた彰人の額に唇を寄せると、チュッと音を立ててキスをする
新「それじゃ、俺に抱かれるのが嫌で嫌で仕方がない彰人くんのために、早く終わらせちゃおうか」
新:そう言うと、彰人の耳元に唇を寄せる
新「本当は、じっくり楽しみたいんだけどね……」
~数分後~
彰人「……っ、あ、あっ……や……あ、ん……っ、は……あっ……そ、こ……だ、め……あ、あ、ああっ……あ、あっ……は、あ……ん……っ」
新「……っ、はは……彰人くんのよがり顔、ホント最高……」
新:彰人の腰を掴み、だめだと言われた場所を執拗に突き上げ続けている
彰人「~~っ!」
彰人:早く終わらせると言いながら執拗に攻め立ててくる新を涙目で睨みつけるも、強制的に与えられ続けている快感に耐えきれなくなった様子で、いやいやをするように左右に首を振る
彰人「も……っ、ま……た、イく……から……っ、手、離……っ」
新「……うん、これは癖になっちゃいそう」
新:彰人の言葉を無視して彰人の腰を掴む手にわざと力を込めると、更に身動きが取れなくなった彰人の奥を容赦なく突き上げはじめる
彰人「……っ!? やっ……あ、あ、ああ……っ、あ、あ、んっ……も……あっ……や、だ……っ、あ、やめ……っ、あ、あ、あ、ああ……!」
彰人:動けないように腰を固定された状態で何度も奥を突かれ、一気に高まった快感に大きく背を仰け反らせると、あっけなく絶頂に達してしまい呆然とする
新「……っ、すごい締めつけ……今のは、ちょっとやばかったな……」
新:なんとか絶頂を抑え込むと、初めてした抱かれる側でのSEXで二度も絶頂に達してしまったことに戸惑っている彰人を上から見下ろしながら、悦に浸るように瞳を細める
彰人「……っ、遠、野……」
新「うん? なに、彰人くん」
彰人:だんだんと意識がはっきりしてきた様子で新の名前を呼ぶと、はあはあと肩で息をしながら耳元に唇を寄せる
新「――……」
新:彰人が何事かを耳元で囁くと、軽く目を見開いて動きを止める
新「――……っ!」
新:思わずといった様子で赤面する
彰人:先ほどまでなくしていた余裕が少しだけ戻ってきたのか、狙い通りの反応にわずかに口角を上げる
新「……」
新(好きだ……なんて、普段の彰人くんなら、頼んだって言ってくれないくせに……なんで、このタイミングで……)
新「……ほんと、ずるいな」
新:ふっとやわらかく微笑むと、彰人の髪を梳くように撫でる
新「俺も好きだよって、言ったほうがいい?」
彰人「別に」
新「どうして?」
彰人「会うたびに抱きつきながら好きだって言ってくるだろうが……お前の吐く言葉は、いちいち軽いんだよ」
新「あはは、よく言われるよ」
彰人「だろうな」
彰人:呆れたような表情と共に言葉を区切ると、不敵な笑みを浮かべる
彰人「……ま、たとえ一度も言われたことがなかったとしても、だ。お前を抱くたびに好きだって気持ちは伝わってきてたから、どっちにしろ言う必要はないんだけどな」
新:思いもよらない彰人の言葉に再び赤面するも、すぐに眉根を寄せると不機嫌そうな表情を浮かべる
新「……そろそろ、そのずるい口を閉じてもらおうかな」
新:静かな口調でそう言うと、止めていた律動を再開する
彰人「……っ!? あ、待……っ、遠、野……っ、あ、ああ……っ」
新「……っ、彰人、くん……俺さ……俺が彰人くんに抱かれるより、抱くほうがしっくりくる気がしてたんだ……」
彰人「……っ、……?」
彰人:突然律動を再開した新に突かれながら、生理的な涙を浮かべた瞳で新を見つめる
新「でもね……俺、今の、彰人くんの、言葉、で……どっちも、好きだって、分かったんだ……」
彰人「……っ、そう、かよ……」
彰人:次第に高まってくる快感に息も絶え絶えになりながらも、新の頬を優しく撫でるとやわらかい微笑みを浮かべる
新「……っ、だから、さ……どっちも、同じ……くらい、しようね……これ、からは……」
彰人「~~っ、わか、った……から……っ、する、から……っ、も……早、く……っ」
彰人:涙でぐしゃぐしゃになった瞳を更に潤ませながら、いかせてくれと懇願する眼差しを新に向ける
新「……うん、ごめんね。この状況じゃ、断れないよね。俺も彰人くんのことを言えないくらいずるい人間だから、利用できるものは何でも利用しようと思ってさ。でも、無効にはせずに、ちゃんと約束は守ってね?」
新:いつものひょうひょうとした態度に戻ると、一度した約束を破れない彰人の性格を利用するようにそう言い、続けざまに彰人を絶頂に導くように動きを速めていく
彰人「……っ!? あ、ああ……! や、あ、あ……っ、もっ……あ、ああ……っ、あ、ん、あ、あ、ああ……! だ、め……だ……っ、ま、た……っ、ま、た……い、く……!」
彰人:口端から飲み込みきれなかった唾液を垂らしながら息も絶え絶えにそう言うと、大きく背を仰け反らせながらビクビクと何度も体を痙攣させて絶頂に達する
新「……っ!」
新:彰人の絶頂時の締めつけに耐えきれず、最後に数回奥を突き上げてから中に出す
~事後~
新「彰人くん……さっきは、ああ言ったけど……あの約束は、守らなくてもいいからね」
彰人「……」
新:ベッドの中で、自分に背を向けて寝転んでいる彰人に向かって話しかける
彰人:初めて抱かれる側をした直後のため、気恥ずかしい気持ちを誤魔化すように新に背を向けた状態で、かけられた言葉を受け流す
新「彰人くん、寝てるの?」
彰人「……」
新「……うん、そっか。じゃあ、寝てるものだと思って話すよ」
彰人「……」
新「今回の件では、無理強いしちゃったけど……俺さ、彰人くんが俺のお願いを聞き入れてくれて、嬉しかったよ」
彰人「……」
新「それだけで十分だから、本当にあの約束は守らなくてもいいし……それにね……」
彰人「……」
新「俺も、彰人くんのことが好きだよ」
彰人「……っ」
彰人:新が独り言のふりをして呟いた言葉にわずかに反応を示すと、後ろ手に新の手をぎゅっと握る
新「……! あはは、彰人くんってば……やっぱり起きてたんだね」
彰人「最初から気づいてただろうが。しかも、お前が気づいてることにオレが気づいてるってことにも、気づきながら喋ってただろ」
新「うん」
彰人「……ったく、うんじゃねえよ」
彰人:文句を言いながらも新の手は離さずに、背を向けたままの状態で口端にわずかな笑みを浮かべる
彰人(オレがあの状況で仕方なく約束させられたと思ってるなら、しばらくはそう思わせておくか……)
~終~
❏おまけ❏
彰人「……おい、なんで今日もオレがこっちなんだよ」
新「彰人くんは抱かれる側はこの間が初めてだったわけだし、暫くはそっちだけしてもらって、慣れてもらおうかなって思って」
彰人「あの時の殊勝な態度はどこに消えた?」
新「まあまあ……彰人くんこそ、本当はまんざらでもなかったんでしょ?」
彰人「……っ!? ~~っ!」
彰人(……クソッ、あの約束はやっぱりなしだって、言ってやりてえ……!)
~終~