あさごはん「んぁ...」
ルミナスは布団からのこのこと出て廊下へ出る。
「ヤバ...もうこんな時間...」
時計はすでに8時を回っていた。
ルミナスはダイニングへ向かう。
「今日は兄さんが朝ごはん担当だったけど...火事じゃないよね...?」
すると...
「おっ!ルミナス!おはよ~!!」
キッチンからスカルフが顔を出し、笑顔で言った。
だが...いつもではなかったのだ。
いつもなら、そこらへんの雑草や虫を丸焦げにしたものが皿に乗っているだけなのだ。
だが、今日は違った。
美味しそうな目玉焼きにこんがりとしたトースト...更にコーンポタージュも湯気を立てている。
カーテンも捲られて、アロマキャンドルもいい香りに漂って心地が良かった。
だがそんなことでのんびりしていられない。
「ちょっと兄さん…?どうしたの?熱でもある?」
「はぁ~?何言ってるのさ?僕はいつも通りだよ!」
「いやいや...いつもの兄さんならこんなことしないって!」
「...」
スカルフはここで黙ってしまった。
「...兄さん…」
「たまにはさ!バカでもアホでも一生に一度はこんなことするだろ!」
スカルフは笑顔で言い、エプロンを外しダイニングへ行った。
「確かにそうかもだけどさ...だったらこの料理は...?」
「今日はさ...何の日か分かるか?」
ルミナスは反射的にカレンダーに目を通す。
「...!!」
この日は4月4日___そう。ルミナスの誕生日だったのだ。
「兄さん…ッ」
「忘れてたのか?今日はおまえの誕生日だ。うちは貧乏だから...こんなものしか用意できなかったんだがな」
そう言いながらスカルフは冷蔵庫からパンケーキを出し、ろうそくを付けた。
「兄さん…ありがとう...」
ルミナスは涙声でそう言った。
「さぁ!飯にしようぜ!早くしないと冷めちゃうぞ!」
「...うん!」
席につき、ふぅ と息をつく。
「「いただきます!」」