vsクラッカー戦闘シーン「其方!ビッグマム海賊団三将星が一人、シャーロット・クラッカー殿とお見受けする!」
随分舐められたものだ、とクラッカーは顔を顰める。海賊の勝負には卑怯もクソも存在しない。これが仮に立派な騎士道精神に基づく天覧試合なんかであればその口上は見事なものだっただろう。だが、少なくとも海賊にやっていい行動ではない。
「此方はジェルマ王国科学戦闘部隊、ジェルマ66クローン兵団指揮官、ベータ・フェム!」
廊下の中央に仁王立ちし腕を組んでいる女はそう名乗った。慇懃無礼を形にしたその言動は、彼の神経を逆撫ですることまで視野に入れているらしい。クラッカーはそう判断した。こちらを挑発し突撃させる寸法か、だがやすやす乗せられるのも癪である。そこまで直情型ならば、彼は将星——四皇の幹部の肩書きを手に入れていない。
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