二人の為士と狂介気づいたら気を失っていて目を覚ました時には知らない街にいた
「なんだここはぁぁ!?!?」
見渡す限り普通の街に見えるが虹顔市、ではない。人影も見えない。
「さっきまで肉トレしてた記憶まではあるんだけどな」
「お!あそこに見えるのはアニキじゃねェか!?阿形の兄貴ー!無事だったんだな!!」
「……?」
「兄貴、様子がおかしいぞ?どうしちまったんだ?」
「すみません、どちらさまですか?」
「俺だよ俺!最強最恐最狂の荒鬼狂介だよ!忘れちまったのか?でもなんかこの世界おかしいぞ、カオスワールドか?」
この世界に違和感を抱きつつ歩いていると聞き慣れた声が聞こえる
「フフフ…アーッハッハッハッ!!!!!」
「自分の顔をこういう形で拝めることになろうとは!!!!」
「はぁ、俺は美しいな…」
「はぁぁぁぁぁ!?!?ナルシスト野郎が二人!?俺の頭がおかしくなっちまったのか?」
「おい、筋肉バカ、そこで何をしている」
「それはこっちのセリフだ!なんでナルシスト野郎が二人もいるんだよ!」
「それは俺にも分からんが、俺という美しい存在が二人もこの世に降臨するとは神の恵みに違いないっ!!!!」
「知らねェよ!!」
「せっかくだ、俺と」
「俺、」
「どっちの俺が美しい??」
「はぁぁぁ!?なんだよ急に!!」
なんで今俺は二人のナルシスト野郎に挟まれるんだ?
てかそもそも…と考える前に手が出る
「……オラぁぁ!」
「何をするッッ!!ってもう一人の俺が消えただと?」
「こいつ人に化けるガオナクスだったみたいだな、俺がさっき会った阿形の兄貴もガオナクスだったってことか?」
「そんな…まさか…美しい俺の姿に化けて出るとはっ!!許さない!!」
「うじゃうじゃでてきやがったな、腕がなるぜェ!!」
「フッ、片付いたか」
「結局ここは誰のカオスワールドだったんだ?」
「知らん、だかさっきはなぜ俺の姿をした奴がガオナクスだと分かった」
「そもそも全然違うだろ」
「フンっ、筋肉バカにも見る目はあるようだな」
「さっきまで偽ナルシスト野郎を見て美しいとは言ってたのはどこのどいつだよ」
「やっぱり自分の美しさしか信用ならないな」
毎日顔合わせていれば余裕で見分けられるだろ、とはぜってェ思いあがらせるだろうから心の奥に秘めておくことにする。
一体このカオスワールドは誰のものだったのだろうか