お題「無言で緩く抱きつくことがたまにで、構ってあげると顔を赤くします」ドスン。と音がして、背中に衝撃が走った。
気配には気づいていたし、どうするつもりなのかも何となくわかっていたので、作業の手は止めていたから被害はない。当然だ。
4日前くらいから帳簿が合わないとかで部屋にも帰ってきてなかったようだが、ここに来たって事は、ようやく一息付けたんだろう
文次朗は普段から意図的に自分を追い込んではいるが、それを超えてしまうとコントロールが少し甘くなる。
なので、勝負を吹っかけては、なけなしの気力体力を削って布団に放り込んだりしてきたのだが……。
恋仲になってからは、こうして作業中の俺の背中に懐いてくるようになった。
ちなみに作業してない時は来ない。
一回理由を聞いたことがあるが、なんでも『作業をしている音を聞いてると自然に眠くなるから』だそうだ。
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