その少女は迷子だった。母親と近所のお祭りへ来て、人混みで逸れてしまったのだ。
「ねぇ、大丈夫?」
たどり着いた人気の無い隅で啜り泣いていると大人の男の人であろう声をかけられるが少女は顔を上げるやそこにいた三人の姿に声を失う。
そこにいた男の人の一人は本来二つあるべき目が顔の真ん中に一つしかついておらず、一人は頭が二つついており、目の前の一人は…フードを深く被っていて夏に珍しく長袖を来ていたが普通の人間のようだった。だが、とても人間には見えない三人組に少女は恐怖し悲鳴を上げた。
「きゃぁあああ!!」
「あー!あー!ごめんね!叫ばないで!俺ら見た目よりいい人だから安心してほしいな!」
そう言って一番最初に話しかけてきた唯一普通のようにみえた男の人がしゃがみ込み目線を合わせてくる。
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