ポプダイでお題SS 昨夜は雷を伴った雨が断続的に降り続いていたが、今朝は一転して曇天も彼方へと去り、窓からは柔らかな日の光が差し込んでいた。
ポップは寝不足のために気怠い身体を気力で支えながら、重くなりがちな足を動かして窓際へと歩を進めた。窓枠に手をかけ、そっと周囲を見渡す。テランの湖を囲む大きな森の中にひっそりと佇む小屋の小さな窓からは、緑生い茂る雄大な木々と、風に流されて動く雲が浮かぶ青空が切り取られて見えていた。
怪しい気配も、敵意を含んだ視線も、そして国民性ゆえか野次馬も、一時の休息場所として供された小屋の周囲には伺えなかった。そのことに小さく安堵の息を吐く。
「ん……っ」
鼻にかかったような小さな吐息が、狭い部屋に響いた。
7016